Mallory Quinn作、キャンディ・キャンディ海外2次小説「The Broken Hearts(壊れた心)」を読み終えました。
What if Candy was no more and Annie and Terry got closer? I love challenges and this one was a huge one. I wrote this with my friend Bridget25. Enjoy!
もしキャンディがもういなくて、アニーとテリーが近づいたら?私はチャレンジが大好きで、これは本当に大きなものでした。これは友人のBridget25と一緒に書いたものです。お楽しみください!(google日本語訳)
The Broken Hearts 第1章、キャンディキャンディのファンフィクション |ファンフィクション
21章からなる、テリィさん側のお話です。
オリジナル言語は英語で、google日本語訳で読めました。
話を割愛していますので、作者ご本人の文章で楽しまれる事をお勧めします。
「です、ます」が混ざっています。誤字・脱字、意味不明な文がありましても、見逃して下さい。
意外なカップルの、意外な展開で面白い内容です。
キャンディは従軍看護婦として戦地に赴き、そこで戦死したというお知らせがアードーレー家の夕食時に、執事が持って来た電報によってもたらされた。家族に動揺が走った。彼女を嫌っていた者ですら、皆の悲願に暮れた顔の前では一言も発せられなかった。
プロローグ 誰もがキャンディの死に動揺し、その時の夫々の登場人物達の様子が書かれている章。
第1章 アニーはキャンディを埋葬した日に、悲しみの為転びそうになったがテリィが彼女を支え、彼女は彼の腕の中で泣き崩れる。その様子にスザナは激怒する。エレノアはスザナに、葬儀に来るべきではなかったと言った。アーチーは、葬儀の後で、アニーに別れを告けた。アーチーは愛していたのはキャンディで、アニーではないと言い、キャンディが死んだ今、彼女と一緒に居るふりをしたくないと言った。アニーは彼を平手打ちし、婚約指輪を外して彼に投げつけた。
テリィはアルバートに、「面倒を看るべきだったのに、なぜ彼女を戦争に行かせた。」と詰った。アルバートはテリィに「義務でなく彼女と一緒に居る事を選ぶべきだった。君との別れがすべての始まりだった。」と言った。
NYに戻ったテリィはその日に、スザナに別れを告げ、家を出て行った。スザナは泣き崩れたが、彼を取り戻す決意を固めた。テリィは義務を止める決意をした。アルバートは旅に行く決意をした。パトリシアは、フロリダに戻った。ニールは悲しみに暮れ、酒と薬に溺れた。イライザは、テリィの心を射止めるチャンスととらえた。アーチーはアニーと別れたが、自分の判断が正しかったのか悩んでいた。アニーは、テリィの腕で泣いた時だけ、ほんの数分間気分が楽になった。その後、テリィの事を忘れ、キャンディと過ごしたポニーの家の事を思い出していた。
第2章 6か月があっと今に過ぎ、アニーは重要な決断を下した。アニーはアーチーがキャンディの亡霊と結婚しようがどうでも良かった。彼女はこの件から手を引き、すべては完全に終わっていた。彼女はキャンディのお墓に毎日通い、そこで、自分の裁縫の才能を生かしてNYで一番美しいドレスが作れるかもしれないと思った。アニーはスミス夫人の下で洋裁の手ほどきを受ける事になった。夫人は彼女の仕事に報酬を払うとも言った。
イライザはテリィをものにする計画を立てていた。自分の旅立ちを祝って男性を何人か招待し一晩中パーティをした。性行為の快楽を心から愛していた。テリィと結婚する時も、彼をこの世で素晴らしいパートナーにしようと思った。
イライザは、アニーがスミス夫人宅に出入りしているのを知った4か月後に、ブライトン夫人に告げ口をした。アニーを束縛する母に対して、アニーは抗議をして、荷造りをし、母が「この家を出たら縁を切る。」と脅迫したが、「あなたは模範的な母親です。どうしてあなたの様な母親が、娘を愛しているふりをしながら、決して娘を励まさないのでしょう。」と言って家を出て行った。彼女は父の車を運転し、ポニーの家に行き、その後NY へ行くつもりだった。2か月後、スミス夫人は、もう教える事はないとアニーに告げ、アニーは夫人に感謝し、キャンディのお墓へ行って報告を済ませた後、NYへと旅立って行った。長時間の後、やっとNYに着いた彼女。街は成功への力を感じさせた。彼女はスーツケースを手にゆっくり駅を出たが、混とんとする街に恐怖を感じた。彼女は歩き回ったあと、ブロードウェイに来ていた。天候が悪化し、雨に降られ彼女は近くのバーに入り、そこで、宿を借りた。彼女は、カウンターでオレンジジュースを飲み、これからする事のリストを書き留めていた。聞き覚えのある声を聞くと、顔を上げた。喧嘩が始まっており、彼を見て彼女の心は飛び跳ねた。彼はここで何をやっているんだろう?彼の顔に一発が当たり、半ば気を失った彼。彼女は彼に駆け寄り、彼を見て喜びで胸が一杯になった。「テリィ!」
第3章 テリィは酔っぱらっていた。テリィに目を付けた男達が金目のものを盗む前に、彼女はテリィに声を掛け、「え?」と驚くテリィ。テリィは混乱し「あんたは誰だ?」と聞いた。アニーはテリィが酔っている所を見た事が無いし、汚い言葉を使うのを聞いたのも初めてでショックを受けたが、「キャンディの為にやるわ。」と決意し、テリィを連れ出して彼のアパートまでタクシーで連れて行った。彼のポケットから財布を出して運賃を払い、鍵を出して家の中に彼を運んだ。彼はソファに身を投げた。アニーは酔っている彼をシャワー室へ連れて行こうと彼の寝室へ行くと、ベッドの上に転がり彼は彼女の上に落ち、そのまま寝込んだ。アニーは彼が彼女の上に覆いかぶさっている状態で、しばらく休んだのち彼を転がしてた。彼が目を覚ますと、彼は彼女の唇に、自分の口を重ね、激しくキスをした。アニーは戸惑ったが、気持ち良さに全身でキスに応えた。彼女がゾクゾクしている間、キスが止まり、テリィは寝ていた。彼女は彼を起こして、シャワーを浴びさせに行かせた。彼は熱いシャワーを浴びて、体を拭くと全裸のまま浴室を出た。ベッドに裸のバカ女が待っていると思っていた。アニーは台所で、食事の用意をしていた。彼が全裸で出てくるのを見て、食事のトレイをテーブルの上の置いて、顔を赤らめた。「アニー・ブライトン?ここで何をやっているんだ?」とテリィが聞いた。彼女は、起こった事を説明し、テリィは浴槽に行きローブを羽織って来た。アニーは「もう行くわ。」と小声で言い、全速力で家の外に出て、タクシーを拾って、先ほどの宿に戻った。テリィは無気力なまま、彼女が去るのを見た。彼は酷い頭痛に見舞われ、食事をした後に、眠った。
アニーは宿に戻り、テリィがキスしてくれた事を思い出していた。彼の裸の体を思い出し、彼はハンサムだった…彼女は、自分が彼を救う事は出来ないと言い、眠りに着いた。翌朝、彼女は朝刊で仕事探しを始めたが、簡単な事ではなかった。
翌朝、テリィは頭痛が無く起きあがり、仕事に行った。エレノア・ベーカーがハムレットの母であるガートルート役を演じてもらう事に決まり、テリィはハムレット役で、皆が初演を心待ちにしていた。楽屋に行くと、カレンが来ており、二人は衣装を着たまま素早く愛し合った。スザナは、外でその声を聞いていた。スザナはオフィーリア役を勝ち取り、カレンが彼と幾らセックスしてもいいが、オフィーリア役は彼女のものだった。
グランチェスター公爵はイギリスにいて、エレノアとテリィが同じ舞台に立つ情報を得た。彼はその公演を見る為にNYへ行く予定だった。彼は一部の事業を息子に譲るつもりでもいた。グランチェスター公爵夫人は、夫が彼らに会いにNYに行くと知って動揺した。公爵は好き勝手に振舞っていた。
アーチーは多くの仕事をこなしていた。アルバートと一緒に、訓練していた。キャンディの喪失は二人に深い影響を与えた。二人はほとんど死ぬほど仕事をこなしており、エルロイ叔母さんが心配していた。
テリィはリハーサルを終えて自分のヴィラへ戻った。家政婦が驚いて、彼女の主人が普通の人の様に振舞うのを見て喜んだ。
2週間後、アニーはまだ仕事を探していて、お金も尽き欠けていた。バーのオーナーは部屋と引き換えに仕事を提供した。彼女は自分の食事を十分にとれておらず、体重が減った。彼女は客を無視したり、触られそうになるのを交わす術を学び、恥ずかしさを克服した。アニーは、チャーリーに注文を伝えると、彼は「こんな所に良い子がいるなんてどう言う事?」と彼女に聞いた。チャーリーはバーの仕事には向かないとアニーに言い、裁縫にもっと使われる手だと言った。「実は私は仕立て屋よ。」とアニーが言った。彼はアニーが裕福な家の出身だと言い、きっと仕事を見つけてここを出られるよと言った。アニーは彼にサンドイッチを出す提案をし、チャーリーはサンドイッチとスープをお客に提供し始め、アニーのお陰で仕事も順調だった。
ある晩、テリィは友人のチャーリーに会いにバーにやって来て、二人は抱き合った。チャーリーはキャンディの事をテリィに聞き、テリィは悲しそうな顔で彼女の死亡をチャーリーに伝えた。その時アニーがバーに到着した。「チャーリー、テーブル10にビール2本ね。」テリィは驚いて振り返った。「アニー・ブライトン?」「どうして私の名前をフルネームで呼ぶの?」「ここで何をしているんだ?」「仕事よ。」「ウェイトレスとして?」「部屋と食事と引き換えにね。」「二人は知り合い?」とチャーリーが聞いた。「そうだ。彼女はキャンディの親友だった。」とテリィ。「お二人は知り合いなの?キャンディはチャーリーを知っていたの?」と今度はアニーが聞いた。チャーリが説明すると、「ああ、あのチャーリーなの?」とアニー。彼らはキャンディの事を話した後で、テリィはアニーにどこに住んでいるのか聞いた。そして、「大人になる事を学ばなくちゃ。」とアニーが言い、「キャンディの為に?それをしようとしているの?」とテリィが聞いた。「この間は助けてくれてありがとう。」とテリィはお礼言った。テリィはアニーに自分のアパートに越してくる様に言い、無料だと言った。彼女はテリィの説得に負け、申し出を受け入れた。チャーリーは彼女が去るのを残念だと言い、でもテリィの所に住むのは彼女の為には良いと言って送り出した。テリィはチャーリーに「彼女に惚れたのか?」と聞いた。彼は「ここでもっと働けば告げていただろう。」と言った。テリィは、「彼女はキャンディの友達で妹だ。」と言ったが、「それで?」とチャーリー。彼はテリィの事をよく知っていたので、強気言わなかった。
第4章 テリィが女の子とプラトニックの夜を過ごしたのは、これが初めてだった。実際アニーを連れて来てから、彼らはリビングで、ある事ない事について話していた。彼女はソファで寝落ちて頭を若い彼に肩に預けた。その間彼も眠りに落ちた。
テリィは悪夢を見てキャンディが心臓を撃たれた瞬間、目が覚め、アニーは床に投げ倒された。アニーを助け起こしたテリィは、彼女に謝り、キャンディが亡くなってから毎晩悪夢を見ると言った。アニーは彼女に寝室へ行きシャワーを浴び、彼女の体に着いたテリィの匂いを洗い流したかった。その後にリビングルームに行くと、朝食の用意がされていて、テリィは新聞を読んでいた。アニーが席に着くとテリィは彼女に紅茶を注いだ。アニーは無口で、テリィを喜ばさせた。スザナのおしゃべりに慣れていた。何度黙ってくれと頼んだだろう。テリィは彼女に今日の予定を聞き、なぜ金持ちの娘が仕事を探すのか聞いた。アニーは逃げて来たと言い、テリィは婚約者が心配しているだろうと言った。アニーは大笑いし、「誰も私の心配はしません。」と言った。「コーンウェルは何を考えているんだ?君達は婚約しているんだろう?」とテリィ。「していました。私の元婚約者は、キャンディの葬儀の時に私を振る悪趣味だったの。」アニーはアーチーが彼女に言った事を説明した。「なんてくそ野郎だ。」とテリィ。「人生で初めて人を殴ったの。」とアニー。テリィは唖然とし、そして笑い出した。テリィはアニーに助ける準備は出来ていると言い、あなたは友達でいつでも頼ってくれと言った。アニーは彼にお礼を言った。テリィは彼女に「ここに一緒にいて欲しい。どこへも行かず、君が傍にいるのが好きだし、帰ってきた時に君がいるのを喜ぶよ。」と言った。アニーは「私たちカップルみたいね。」と顔を赤らめて言った。テリィは「怒ったの?これからは、すべてのレセプションやプレミアで、君がデートの相手をしてほしい。」と言った。「それはあなたの熱狂的なファンを遠ざけるためのものですよね?」とアニーが聞き、「そうです。」と彼。「中には厄介な人がいて、まずはカレン・クライスです。彼女はキャンディと別れた後に私の愚痴を聞いてベッドに入りました。その後離れてくれず、私達が付き合っていると皆に思わせていた。でもこの通り、私は一人暮らしで、誰にも私の人生に関わって欲しくありません。」「喜んで手伝う準備が出来ています。」とアニー。
テリィが仕事に出かけた後、彼女は街に出てブティックを回り仕事を探そうとした。最初に見つけたブティックでひどい扱いを受けたアニー。失意のうちにテリィのアパートに戻って来た。テリィが戻って来ると、彼は彼女に「裁縫の才能があると思うよね?」と尋ね、彼の衣装直しを彼女に頼んだ。アニーは彼のサイズを測り、彼のからかいに負けず正確に測り、テリィに分からない略語を正確にメモに書き写して行った。アニーはドキドキしていて、なぜキャンディが彼を愛していたのか、今なら理由が分かると思った。測定が終わったテリィがガウンを着て部屋に戻った。
食事は穏やかに進んだ。アニーは上級階級の若い女性の様な優雅さで食事をしていた。彼女は攻撃的でもなく、時に彼をベッドに誘おうとする事が無かった。彼はこの良くて甘い雰囲気が永遠に続いて欲しいと願った。そしてアニーは美しい少女で、彼はこっそり彼女を見るのが好きだった。彼女は繊細で慎重だった。キャンディが彼女を愛したのも無理はなかった。テリィはキャンディの事を思い、胸がちぎれそうなくらい痛んだ。アニーはそんなテリィを黙って見ていた。彼は泣くべきだと思った。
アニーはテリィの衣装直しを始めた。彼女はテリィに本を読んで欲しいと言い、彼は彼女に本を読み始めた。アニーはテリィの美しい声を聞きながら、裁縫をしていた。彼は本当に上手に読み、感情を込めていた。
一週間が過ぎ、アニーはテリィの衣装が仕上がった事を告げた。彼はブレザーとシャツを着て、それがぴったりなのを喜んで確認した。彼女の綿密な仕事は完ぺきだった。彼は彼女の頬にキスをして、感謝を示し、祝福した。テリィは今晩母の所に行くと言い、アニーに一緒に行く様に聞いた。アニーは「招待されていない人が行くのは良くない。」と言い、テリィは「誰かと一緒に行くかもしれないと言ってある。」と言った。「彼女は私の浮気相手の一人と思っている様ですが。」「ああ、なるほど。」「さあ、一緒に来て。彼女を紹介したい。」とテリィ。アニーは少し考えた。エレノアに会うのは魅力的だった。彼女は彼の母親に良い印象を与えたかった。彼女が自分を彼の征服者の一人と混同しない事を願った。二人は車に乗ってエレノア宅へ向かった。アニーはテリィの心を壊すとは知らずに、車の窓から見た光景を口にした。それはキャンディが初めてNYに来た時に言ったものと同じだった事を思い出させた。テリィは悲しそうに、うきうきしているアニーを眺めていた。
車は大きは屋敷の前に停まり、車を出たアニーは、もうすぐテリィの母親に会う事になると胸が高まった。執事がドアを開けると、「母さんはいる?」と聞いた。「ベイカーさんがまずあなたと二人でお会いしたいそうです。」と執事。テリィはアニーに待つ様に頼んで母に会いに行った。母は息子に今までの様な生活をやめる様に言い、おとなしく頼んだ。テリィは今日連れてきた相手はキャンディの親友で妹のアニーだと言い、アニーに助けられた事、今一緒に暮らしていることを母に説明した。エレノアは「それは良い事なの?」と聞いた。「彼女は仕事を探していて、見つかって軌道に乗れば、私の家を出て行きます。」彼女は彼の変化に気が付いていた。エレノアがアニーを見ると、「キャンディの埋葬の時にあなたを見たわ。」と言って彼女を抱き締め、二人とも泣きだした。バトラーが電話を取り継ぐとエレノアは、アニーを離して、「失礼」と言い、電話に出た。彼女の衣装係から夫が入院して、エレノアの衣装を作り終えられないとの連絡だった。テリィは彼女にアニーを紹介し、アニーは辞退しようとしたが、テリィが強く勧め、仕事を引く受けた。彼女はエレノアの仕事を得て嬉しく、そして感謝した。エレノアはアニーとどうやって出会ったのか聞いた。テリィはアニーに「どうしてあの時逃げたんだ?」と聞いて、アニーはむせた。「あなたが私にキスをして、あなたは裸で、私は腹を立てていたのよ。」と心の中で思ったアニーは、「夜も遅かったし、あなたは少し攻撃的だったから、追い出される前に出たの。」と答えた。
エレノアは、アニーが将来ブティックを開きたいというと、彼女は最初にアニーの服を着るわと言った。
第5章 食事の後、エレノアはアニーに仕事について説明した。「明日からテリーと一緒に劇場に来て。ロバートには説明しておくから。」と言った。「この素晴らしい夜をありがとう。」とアニーはエレノアに感謝した。エレノアはテリィにアニーと遊ばない様に忠告した。テリィは「彼女はキャンディの妹だよ。」と言い、「なぜダメなの?彼女は可愛いでしょう?君は女の子が好きだし。」とエレノア。彼はエレノアの家を出るとアニーとアパートへ戻って来た。車の中でテリィはたわいない話やチャーリーと交わしたアニーの話をした。アニーはテリィがなぜ彼女にアプローチしないと知って、彼女はなぜか動揺した。その考えを追い出すために、彼女は仕事に集中した方がが良い。テリィはただの友達で、それ以外は何でもない。キャンディの妹だから助けてくれただけ。それ以上は何もないし、幻想を抱くなと彼女は自分に言った。
アニーはテリィに今晩のお礼を言い、エレノアに会えて光栄だったと告げた。テリィは「お休み、アニー。明日の仕事を忘れないでね。」と言った。テリィは少し何か書こうとしていオフィスに行ったが、集中できなかった。母とチャーリーの言った言葉がいまだ頭に残っていた。彼は「彼女はキャンディの妹だ。そんな事は起らない。」と思った。
翌朝、彼らは食事を終えた後、一緒に劇場へ行った。テリィはアニーを工房と、母の衣装場を案内した。「すぐに新しい仕立て屋が必要だ。」とハサウェイの声が聞こえた。彼の妻がなだめていた。「エレノアの衣装がまだ出来ていない。」「またあなたの愛しのエレノアですか。どうせ彼女のスケジュールに合わせてこちらを変えたんでしょう。お前のくそ愛人の為に。」と妻が呆れた声で言った。「キャロル、やめてくれ。」テリィとアニーが到着した。テリィはハサウェイ夫人を見て微笑んだ。「緊急事態で仕立て屋が来られない。」とハサウェイ。「知っています。昨夜は一緒に食事をしたから。アニーが手伝ってくれるって言っていた。」とアニーを紹介したテリィ。彼女がテリィの衣装を直したと言い、彼女の腕を保証した。ハサウェイは彼女をその場で雇い入れた。「今から仕事を始めなきゃ。」と日程を聞いたアニーが言った。彼は彼女をミシンや材料がある部屋へ連れて行った。若い女性達も手伝いに来ていたが、彼女達は仕立て屋ではなかった。彼女はエレノアの衣装を手掛け始めた。テリィは彼女に「大丈夫か?」と聞き、アニーは「すべてうまく行くよ。」と答えた。エレノアが到着し、「アニーを雇ったんでしょうね?」とハサウェイに聞いた。「その場で…」と彼。「分かったわ。楽屋へ行くわ。」とエレノア。テリィは母と一緒に歩いて行き、「ハサウェイの妻が嫉妬している。」と言った。エレノアは彼女がガートルート役をしたかったんだと答えた。「じゃあ、彼とは寝ていないんだね?」と聞くテリィ。「テリィ。私はまだあなたの母親よ。ロバートとは寝ていないわ。彼女は私の仕事のライバルよ。」
アニーは嬉しそうに作業をしていた。ミシンのお陰で作業時間が節約できた。若い女性達が手伝ってくれて、すべて順調に進んだ。時間の経過が見えなかったが…
「昼食にしよう。2時間後に」と監督が言い、テリィは安堵のため息をついた。カレンが近づいて来て、テリィをランチに誘った。スザナも近づいてきた。別の女優もテリィを誘った。他の俳優たちは、なぜ彼がそんなに特別なのか不思議がった。「あのイギリス英語のせいでしょう!」「エレノアの息子だから。」
アニーがコートを着て昼食に出かけ、テリィがどこにいるかと思った。一緒にランチをして今朝の事を話せるかと思った。テリィはちょうど彼女を見つけ、目を交差させた。「アニー、準備はいいかい?」とテリィが言い、驚いた彼女は「そうだね。」と言った。「完璧、一緒に行くから。」とコートを取りに彼女を楽屋に連れて行ったテリィ。「ありがとう。」「何が?」「助けてくれた。」「楽しそうだったね。」「それで誘惑者になるんだ。」「あんなに女の子達と寝ているの?」「あまり覚えていない。ほとんど酔っているから。」「もちろんよ。」「アニー、別れた時にキャンディを失ったんだ。それ以来、僕はたくさん馬鹿な事をしている。彼女の死は、状況を楽にはしなかった。」「キャンディの死は私を強くしてくれたわ。実はね。私は彼女と同じ孤児院にいたの。私達は同じ夜に見つかった。彼女は私にとってお姉ちゃんの様な存在だったの。」「彼女が誰にも指図されない女の子だって分かるよ。」
アニーは彼女とキャンディの小さい頃の話をし、テリィはアニーに、「君は小さかったし、キャンディほど強くなかったんだから。」と慰めた。レストランに着くと、「グランチェスター様、いつものテーブルとお部屋も?」と聞かれ、「ありがとう。」と言って急いで歩き去った。アニーはいつもの部屋の事を聞いて驚いた。部屋?テーブルに着くとウェイターが「いつものですか?」と聞き、テリィは今日は食事をするよと注文した。アニーは顔を赤くして彼を見た。「何?」「いつものテーブルとお部屋まで?」「まあ、時々静かな所で昼寝をしたくなるんだ。」「女の子と?」「…そして時々、その時だけを待っている女の子と一緒に居るんだ…」「あなたと一緒なら驚かないわ。」「与えられた命を取り戻そうとしているんだ。」「彼女たちの中にキャンディを見ているの?」「キャンディと寝た事は無いよ。皮肉な事に、愛していない女の人と寝るのに、本当に愛している人とは愛し合えないなんて本当の不公平だ。」「同感だわ。」「キャンディの話を続けて。」とテリィ。アニーは話し始めた。キャンディの過去を聞いてテリィは憤慨した。時にラガン家での扱いに。アニーは恥じ入りながらもセントポール学院での出来事などを語った。
テリィはアニーに「君は僕に心を開いている。君に安心して欲しいんだ。」と言った。「ありがとう。食事もおいしい。」「街で一番良いレストランの一つだよ。」「しかも街で一番いいホテルの一つで…」とアニーは皮肉ぽっく言った。「新しい君が良いね。これから出てくるよ。」「少なくとも誘惑しようとしていないよね。」「信じて。もし僕が君を誘惑したら、君は抵抗しないよ。その部屋は…」アニーは真っ赤になり、テリィの言葉だけでなく、自分が彼と一緒に部屋にいる考えが彼女を興奮させた。「失礼。君に恥ずかしい思いをさせてしまって…、でも冗談だって分かっているよね?」とテリィ。「もちろんよ、テリィ。」とアニーは笑った。その後もキャンディの話をし、食事を終えた後、劇場に戻って来た二人。「終わったら迎えに行くよ。」とテリィ。「分かったわ。またね。」二人は別れた。エレノアが試着の為に来ていた。「テリィと食事に行ったんだって?」「いいニュースは広がるのが早いですね。」「テリィが誰と食事に行ったかは、劇場の噂の一部よ。相手があなたで安心したわ。少なくともビッチみたいに脚を開かない。」二人は大笑いした。「テリィと私はただの友達だわ。」「そういう友情は好きだわ。」とエレノア。
アニーは仕事をしているとテリィが迎えに来た。「もう?」「もうってもう遅いよ。ブライトンさん。」彼女は片付け始めた。テリィは車を取りに行き、女優がアニーに、「テリィは一人の女性しか愛していない。あなたは時間を無駄にしているわ。」と言った。「あなたがスザナ・マーロウさんですか?彼の元婚約者の?」「また一緒になるの。ただ警告したかっただけ…」「ああ、今は私と一緒に居るわ。おやすみなさい、マーロウさん。」とアニーはテリィの方へ歩いて行った。「スザナは何を望んでいたの?」とテリィが聞いた。「あなたとまた一緒になるんですって。私は時間を無駄にしているって。」「彼女さえいなかったら…」「死ななかった?」「キャンディと一緒に居たい。もしスザナが私と一緒にいると思っているなら、彼女は夢を見ているだけだ。」「分かったわ。」とアニー。
感謝祭が近くなり、ハサウェイはテリィに彼の家で感謝祭をさせて欲しいと頼んだ。彼の家は洪水で使用できないから。テリィは友達を呼ぶ事で承諾した。
モーリタニア号は早朝NYに到着し、グランチェスター公爵が降り立った。彼はアストリアホテルのスィートルームを予約しており、そこへ向かった。明日息子に会いにく予定だった。
シカゴで、アルバートはテリィから「ハムレット」の招待状を受け取った。彼は旅仕度をしていると、甥がやって来て「ウィリアム大叔父さん?」「NYへ行くんだ。」「なぜ?」「ハムレットの初演の為に。一緒に来るかい?」「あのろくでなしの息子は…」「さあ、キャンディはテリィを愛していた…」「そうだ。彼女は彼をとても愛していて、彼無しで生きるのが耐えられず、戦場に行って死んだんだ。」「彼女は大人だったんだ、アーチー。テリィが自分で決めた事を責められないよ。」「あの野郎の芝居は見たくないよ。」「分かった。では君はここに一人で残るんだ。エルロイ叔母さんやラガン達も一緒に行く。」「アニーが恋しい。」とアーチー。「何?」「私も驚いたよ。感謝祭に彼女に会いに行くかもしれない。許して貰うために…」「冗談だろう?」「本気で言っているんだ。彼女は私の事をよく世話してくれた。あの頃が恋しい…付き合った女の子達は、アニーの様に私を扱ってくれなかった。」「じゃあ、頑張ってね。君には必要だろう。」とアルバート。
イライザはテリィに会いたがっていて、情報を得て、テリィの家で感謝祭をする事を知った。彼女はそこへ行くつもりだった。
アニーは自分用のドレスを作り上げた。感謝祭用のドレスだった。テリィは彼女にその日のホステスを頼み、彼女はそれを受け入れた。アニーはキャンディと違って、レセプションが好きだった。テリィは彼女を誘って階下に降りて、最初のゲストを待っていた。
第6章 最初に来たのはハサウェイ氏と妻のキャロルだった。テリィは二人に挨拶をして招き入れた。劇団の俳優たちも到着し始めた。テリィを呼び止めたカレンの声。彼女はアニーを完全に無視し、ハンサムなテリィに微笑んだ。「手伝いが必要ならいつでも手に入るわ。」とテリィに言って、その場を去ったカレンをテリィとアニーは見ていた。「いつでも手に入るって。」とアニーが 繰り返した。エレノアが到着し、胸を引き立てるドレスが見事で非常に美しかった。彼女はドアの所にいるカップルを見て微笑んだ。「この画像が見たかったの。若いカップルがゲストを迎えているみたいね。」とエレノア。エレノアはロバートに挨拶に行ったが、妻の神経を逆なでした。スザナが現れ、テリィとアニーを見てふくれた。アニーは彼女をやり込め、スザナは立ち去った。「またもう一人、サービスを申し出て来る人ね。」とアニー。「あなたは幸運だわ。」と皮肉っぽく言った。ハサウェイがやって来て、テリィ達は交代をした。エレノアとアニーは話していて、「あなたと彼がいるのを見て嬉しかったわ。小さな女優の希望を打ち砕いた。」と喜んだ。「ベイカーさん、テリィは一人でやっていける年齢です。」「実は、彼が女性に囲まれているのを見ても、関係ないんだけれど…」「私に何か影響があります?」「分からないわ。結局あなた達はただの友達だから。」アニーは女性に囲まれているテリィを見て、嫉妬した。
NYのアードレー家では感謝祭のディナーを昼食時に食べていた。大叔母はアーチーが来なかった事を喜んでいなかった。「シカゴで一人?ウィリアム、連れて来るべきでした!」と大叔母。「彼は感謝祭をブライトン家と過ごすつもりだ。」「ブライトンの娘と別れたんじゃないの?」「彼は彼女が恋しくてよりを戻したいんだ。」「何?」とイライザ。「彼は自分のした事に気が付き、彼女とよりを戻したいんだ。」「人々は決して学びませんね。」とラガン夫人。
「さて私は招待を受けたものの一つに応えなければならないよ。テリィが感謝際に招待してくれたんだ。」イライザは「一緒に行ってもいいかしら?」と聞き、アルバートは承諾した。彼らはテリィの家へと向かった。
テリィは到着したゲストに驚いた。「お父さん!ここで何をしているんですか?」彼は囲まれていた女性達から離れて父の方へ歩いてきた。公爵はテリィを抱き締めて、テリィは驚いた。エレノアは別のゲストと話している時、テリィとリチャードの姿を見た。彼女は二人の所へ近寄って行った。公爵は彼女に挨拶をし、彼女も笑顔無しで挨拶を返した。彼女は公爵にここに来た理由を問いただした。「エレノア、私はここに問題を起こしに来たんじゃない。息子が母親と共演する舞台を見に来たんだ。」と公爵。「それをイギリスで聞いたの?お父さん。」「彼のスパイはどこにでもいてあなたを監視しているのよ。」とエレノアは辛らつだった。「父さん、来てくれてありがとう。変な動機がない事を祈るよ。ゆっくりしてね。お母さん、おとなしくしてね。」とテリィ。テリィはハサウェイ夫婦に、「父を紹介するから来て下さい。」と言った。テリィはアニーにも「こっちに来てくれる?」と彼女を誘った。彼らはエレノアと公爵の元へ行った。テリィが父に彼らを紹介した。公爵は夫人の手にキスをした。エレノアがロバートにスポンサーたちが付いたかどうか聞いた。「彼らは思った以上に難しいよ。」とロバートが言うと、公爵は「スポンサーの数を倍にする用意がある。」と申し出た。ハサウェイ夫妻は驚いて顔を見合わせた。テリィは「本当に?」と聞いた。公爵は「息子とその母親の出る芝居だからね。私も貢献したい。」と言った。皆が彼に感謝した。エレノアは何も言わずに、その場から離れた。テリィは父にアニーを紹介した。キャンディの妹として。公爵はキャンディの話を彼らにし、テリィがアメリカで俳優をしてこられたのもキャンディのお陰であり、学院の寄付もそのまま続けていると公爵が言った。「彼女は特別だった。天使だった。」とアニーが言うと、「だった?キャンディは死んだのか?」と公爵が尋ね、「はい、お父さん、彼女は私たちの元を去った。戦争に…流れ弾で…」とテリィ。「なんてこった。彼女は君の事をとても大切に思っていた女の子だったんだ。」と公爵。「そして、私も彼女の事をとても大切に思っていた。」とテリィ。アニーは泣きながらその場を離れた。テリィは父に、「母は駆け引きをしているんだ。知っているだろう?」と言ってその場を離れた。
アルバートとイライザはテリィの家に到着した。彼らはテリィの前に行き、彼は同僚と話していた。「テリィ!」とイライザ。テリィは振り合えり、笑顔で「アルバート。ようこそ!」と言った。「アルバート?イライザ?」とアニーが到着すると驚いて、名前を呼んだ。「アニー・ブライトン?」とイライザ。「ここで何をしているんだ?」とアルバート。「今はNYで暮らしているの。」とアニー。「アーチーは大きな驚きを味わう事になるだろう。」とアルバートが言い、今ブライトン家に行っているとアニーに伝えた。「なぜ?」「アーチーは君と仲直りしたいと思っているんだ。」「何?」テリィとアニーが同時に言った。「彼は間違いを犯した事に気が付いた。」とアルバート。アニーはあまりに驚いて、何も言えなかった。その時、ちょうど、ハサウェイ氏が夕食の用意が出来たと、皆を呼んだ。
アーチーはブライトン家へ行き、「アニーに会いに来ました。」と言った。
第7章 ブライトン夫人はアーチーにアニーの件を説明し、彼は呆然としていた。「アニーがシカゴを去ったのか?」彼の態度は言葉では尽くせないほど、若い女性に言った事を後悔していた。キャンディの死を彼女のせいにするのは不公平だった。彼女が彼を平手打ちした事で、考えさせられた。彼は別れいぇからの数か月間、女性達と付き合い、婚外で楽しんでいた。その間も、永遠の愛であるキャンディの死の痛みを持ち続けていた。ある朝、隣に下品な生き物を見て、アニーの姿が彼の中に侵入してきた。彼の決意は固まり、アニーを取り戻す決意をした。彼は直ぐにレイクウッドに戻り、NYにいるアルバートと一緒にあのろくでなしの芝居を観に行った。
アーチーはあの男への憎しみが走り体が震えた。大学時代、この男が我慢できなかったし、今日は嫌悪感がさらに増しているよに感じられた。ためらいもなくキャンディを捨て、フランスで死に追いやり、葬儀では愚かな顔で悲しみを装っていたあの男が大嫌いだった。あの男は新しい婚約者と一緒に、愛しているふりをした人の葬儀に来る勇気を得た。残念だ、あの男は本当に…
ブライトン夫人は、アニーが女性参政権運動家の考えに狂い、自分も働きたいと言ったと説明した。アーチーは驚いた。夫人は、彼女はポニーの家に行ってしまったと言い、その後連れ戻しに行ったが、彼女は既に孤児院を出て行ってしまったと付け加えた。アーチーは、「出来るだけ彼女を早く見付けて結婚するつもりだ。」と言った。「戦争は兄とキャンディを奪った。愛する人を失うのは簡単だと教えてくれた。彼女を連れ戻します。」とアーチー。
NYに戻ると、アニーはアルバートが投げかけた衝撃的な発言にショックを受けていた。婚約を破棄し、キャンディの死の責任で彼女を非難し、何でもない様に彼女を扱ったあの男が、彼女を取り戻したいと主張するなんて、何の冗談なの?彼女は彼を決して許さないだろう。彼女は彼に抱いていた真摯な愛情は消え去り、憎しみへと変わってしまった。彼女の白い手は、怒りで白くなっていた。唇は固く結ばれ、頭の中で苦しんでいるのが伺われた。テリィは、隣に座っている女性がほとんど食事に手を付けていない状態をそう表現するだろう。アルバートも彼女の状態危機に気付き、不安を感じていた。テリィはアニーの手に手を重ね、アニーは驚いて周囲を見渡した。彼女は、今日は感謝祭のホステスなのだからと、笑顔を作ろうとした。そんな中パーティは順調に進み、お開きの時間になった。アルバートがイライザにコートを渡し、彼女はアニーがいつまでもコートを着ようとしないのを見て、「孤児の娘はどうするんだ?テリィの所に泊まるの?」と言い「彼女は私と一緒に暮らしているんだ。イライザ。彼女は出て行かない。」とテリィ。「何?でも結婚もしていないのに、一緒に住むのは残念です。」とイライザ。「それは君の知った事じゃないよ。イライザ。」とテリィ。イライザがウィリアム大叔父さんにアニーはここにいられないと言い、アルバートもアニーに「同じ家に二人が住むのは正しくないよ。もし・・」と言ったが、アニーは丁寧にそれを遮った。「あなたを傷つけたり失礼になりたくないけれど、あなたは私の父でも家族の一員でもありません。私は自分の望む様に生きています。テリィがここに住まわせてくれて、私が承諾しました。私達が責任ある大人で、やりたい事をしています。私もすぐに家賃が払える様になります。」とアニー。「なるほど。つまり部屋を借りている。それだけ?」とアルバート。「そう言っても良いでしょう。イライザには介入させたくない。テリィに近づくなと言いたい。彼はキャンディを愛していて、君につばを吐いた男だよ。」とアニー。イライザは顔を赤らめ、下を向いた。
パーティがお開きになり、公爵はエレノアが息子とアニーにキスをしているのを見た。彼女は今まで見た女性の中で一番輝いていた。テリィは父と母が一緒に車に乗り込むのを見て微笑んだ。公爵はエレノアと一緒に居る事で高揚としていたが、エレノアは、彼が義務の為に、彼女を置き去りにした事で、心を傷つけた事を思い出した。テリィを奪った事など…「リチャード、何をしているつもり?」「君を傷つけるつもりは無いんだ。」「あなたはずっと前に私を傷つけた。私の愛するものを奪った。あなたの妻に託すなんて。彼女は「バスタード」って彼を呼んでいたわね。あなたは助けなかった。彼を放っておいた。彼をそんなにひどく扱い、無関心だったなら、私に預ければいいものを。少なくとも一人の親は彼を愛した。」「馬鹿みたいに振舞った。それは分かっている。償いに来たんだ。」「まだ遅くない事を願っています。」とエレノア。「テリィは私に怒っていないようだ。」「あなたの息子は素晴らしい人だ。今回はあなたに壊させはしない。」「彼を破壊する?私がその目的で来たんじゃないって分からない?彼は自由だ。結婚を強要したり、後継者を押し付けたりしない。」「良い事ね。書面で持ってきなさい。」「エレノア、信じてくれ。彼の舞台を見に来たんだ。君たち二人に会いに来た。」「私にとって気にしないけれど、彼は喜んでいるようだから、ステージを見せない様な妨げはしないわ。」エレノアの最後の言葉は、公爵の心を傷つけた。かつての恋人、今でも決して忘れなかった人。彼女を再び腕の中に抱き締める為に、彼は何でもすると誓った。
アニーはイライザが言った事が気になっていた。テリィが助けてくれなかったら、テリィが彼女を引き取り、部屋を与えてくれなかったら…彼女は驚いた。また誰かを頼っているのだ。彼女は誰にも「手を取られて導かれたりしない。」と誓っていた。テリィは彼女を見ていた。彼女が拳を握り締め、涙を流す姿を見て心を痛めた。彼がアニー近づくと、「テリィ、行かなきゃ。」「行く?なぜ?」「聞いてちょうだい。家に連れて来てくれてありがとう。でも…」「イライザ?あなたは何の事を考えているの?」「彼女の事は気にしてないけれど、自分が世話されている様な気がして…」「なんで?」テリィが冷たく言った。「一緒に住んでいるわ。あなたが面倒を見てくれている。あなたが仕事を見つけてくれて…あなたの家に住んでいる。自分でやりくりしたかったのに、私は何をしたっていうの?」「君が全部やったんだ。」とテリィが怒って言った。アニーは彼が怒っているのを見て驚いた。テリィは、「アニーが彼の面倒を見てくれて、バーで働き始めて、お金を稼いだ。もう離れる事は考えないで。僕が不幸になる。」と言った。「なぜ?」「あなたが傍にいてくれるのが好きなんだ。あなたの存在がこの家を温めてくれる。ここには死んだ男しか住んでいなかったのに。アニー、君が僕を必要としているのと同じくらい、僕は君を必要としているよ。お互い助け合い、きっと成功しよう。」アニーの青い瞳は今、喜びの涙を流していた。彼女は幸せそうに、頷いた。テリィは彼女を抱き締めた。彼はなぜ彼女が自分を離れるのを恐れているのか分からなかった。もし彼女がどれだけ彼を必要としているのか知っていたら…アニーは彼の中でかけがえのない存在になっていった。彼女がキャンディの妹だと知っているだけで、彼は彼女を違う形で愛するのを止められなかった。彼女は彼の喜びの源であり、彼女は彼をリラックスさせる。もし彼女が去ったら、私はどうすればいいのだろう?胸が高鳴った。父が家を去る時に彼に耳打ちした。「彼女は素晴らしい。素晴らしい妻になるだろう。息子よ。誰かに奪われる前に早く結婚した方が良い。」と。彼は顔を赤らめていた。しかし、彼は何も言わなかった。テリィは彼女の頬に手で触れた。彼女の唇が震えている様に見え、彼はその味を味わいたかった。アニーは立ち止まり、顔と顔が近すぎて、不安だった。彼女はテリィから離れ、お休みを言って部屋へ行った。彼は上の階で、アニーが動揺し、胸が激しく鼓動している事を全く知らなかった。
ついに、「ハムレット」の初演の夜がやって来た。仕立て屋は衣装から衣装へと走り回り、最後の調整をした。すべての俳優がアニーの仕立てに満足して、温かく感謝し祝福した。エレノアはアニーの才能を褒め、すぐに有名なデザイナーになると肯定した。アニーはデザイナーとして、初めての給料を貰ったら、自分の家を手に入れて、ビジネスを始めるまで貯めると言った。
テリィは他の俳優たちとは一線を画し、舞台でも完璧でした。最前列でイライザがテリィを見つめているのが見えた。隣にアルバート、エルロイ、ラガン家族、ニール…の隣にいる若い男性を見て彼女の心臓は一瞬止まった。アーチーボルド。彼はここで何をしているのだろう?彼が彼女を見付けない事を祈ろう。彼女に話しかけない事を願おう。彼女は舞台に集中しようとした。実際、俳優たちは毎回衣装を変えなければならず、彼女を忙しくさせた。
ショウが終わると、スザナが真っ先に舞台を降りて、アニーに「ショウが終わったら、もう二度と会いたくないわ。この小ずるい奴め。」と言った。感謝祭の時の屈辱を覚えていた。「ミス・マシュマロ。残念ながらがっかりするわね。さっきハサウェイさんは正式に私を雇ったわ。」スザナは怒りで青ざめた。彼女はアニーの仕事の妨害を企んでいた。
テリィとアニーは、アストリアホテルで開催される披露宴へ向かった。車の中でアニーは、緊張しながらハンカチをいじっていた。テリィは何も言わなかったが、何が彼女をそんなに怒らせたのか不思議に思った。ホテルに着くとその理由が分かった。アーチーは、アニーがテリィの腕を握っているのを見て青ざめた。決然として二人の前に行こうとしたが、アルバートが首を横に振って阻止した。何百人もの人前でスキャンダルを起こすのは論外だった。彼の目は常にその警告であり、彼に落ち着く様に命じていた。テリィはイライザに見つかり、彼女にはっきりと伝え、イライザは怒りで満ちた表情を浮かべた。彼女はテリィを挑発して「アニーを探しているなら、庭でアーチーと和解している彼女がいるわ。」と言った。テリィは振り返り、イライザの意地悪な視線を返した。彼は急いで庭へ向かった。彼は見たものを黙って向き合った。アーチーは木にもたれかかっているアニーの上により掛っていた。「アニー、本当にごめん。戻って来て。」「アーチー。」「イライザが電話で君がここにいるって言うからすぐに駆け付けた。君無しでは生きられないよ。愛している。」と言って彼女にキスをした。
テリィはこんな不快な光景を見るに堪えられなかった。彼は怒りを爆発させる前に立ち去った。もし残っていたら、アニーがアーチーに平手打ちしたのを見ただろう。「そんなに楽に終わると思うの?あなたが私に言ったりした事の後で?あなたには会いたくないわ。お前が大嫌いだ。」とアニー。彼女は彼を拒絶し去った。アーチーはテリィのせいにした。キャンディを奪い、今度はアニーを奪っている。彼は彼女を取り戻すつもりだ。彼女は彼のものであり、誰のものでもなかった。
アニーとテリィがようやく家に着いたのは夜も遅くなってからだ。彼は黙って彼女に一瞥もくれなかった。彼はコートを脱ぎ、バーへ向かうとスコッチを飲み干した。また飲もうとしたのを見てアニーは驚いて彼を止めた。彼は冷たく彼女を見て、目が熱くなって彼女を押しのけてスコッチを飲んだ。「テリィ、何をそんなに怒っているの?」「分からない。誰にも分らない。」「お願いだから飲むのは止めて。あなたにそれをさせない。」「どうやって止めるつもりだ?」彼女はスコッチのボトルを取り、暖炉に投げ込んだ。テリィは怒り、彼女をソファに押し戻し、彼女の上に乗った。彼女は彼の目を見て、彼の考えを受け入れる準備をした。彼は彼女にキスをした。彼女は目を開き反応できなかった。テリィは苛立ち「ダンディより良かった?」と聞いた。「何?」「庭で君がクークーと話しているのを見たよ。」「私はクークー言っていたわけじゃないわ。嫉妬しているの?」「馬鹿な事言うな。私も彼の様にキスをして愛していると納得させる事が出来ます。」「でもあなたは私を愛していないわ。」「彼はどうした?彼は誠実なのか?」「テリィ、何て事。彼を押しのけて平手打ちしたけれど、あなたは見ていないんでしょう。どうしてあなたみたいな少年が嫉妬に満ちた怪物で、私を傷つけようとするの?何も頼んでいないわ。」「彼の所に戻るな!」「そんなつもりは無いわ。」その言葉でテリィは落ち着いた。彼女はアーチーの所には戻らない…喜びが彼を満たした。
アニーはソファーから立ち上がり、リビングルームを出る際に、「二度と今やった事を私にしないで。キャンディを失った痛みが、そんな風に振舞う権利を与えるわけじゃないわ。私は彼女じゃないし、決して彼女に慣れない!」と言った。彼女は階段を駆け上がり、ドアをバタンと閉めた。部屋に一人残されたテリィは唇に指をあてて、眉をひそめた。「この柔らかくて湿った感触。どこかで感じた事がある…」キャンディは彼の人生を何度も乱したが、彼女の死は、彼をも死に至らしめた。彼はなぜアニーに対してあんな反応をしたのだろう?キャンディの妹に、彼女の代わりを探していたのか?彼女がコーンウェルとキスしているのを見て傷ついた。それで?彼の中で何が起こっているのだ?
第8章 アニーは部屋でドアを閉めて寄りかかっていた。何て夜なの。アーチーは頼みもせず激しくキスをした。彼は今までこんな風に彼女にキスをした事が無い。なぜ婚約した時に、あんなキスをしなかったのだろう?テリィは車の中で一言も話さなかった。彼は彼女に無理やりキスをした。もしあのキスが長かったら…アニーは自分の唇に手を置いた。
テリィは寝室へ行き、再び唇に指をあてた。この感触は馴染みがあるものだった。なぜアニーとアーチーがキスをしている所を見て、あんなに激しく反応したのだろう。もしあれがキャンディだったら、彼はアーチーを殴っていただろう。アニーはただの友達だから、ダンディを殴らなかったんだと思いたかった。彼はベッドに横になり、アニーとのキスを思い出していた。
翌日アニーが下に降りて行くと、黄色いバラの花束が机の上に置いてあった。テリィはコーヒーを飲みながら座っていた。彼女は彼を見ずに挨拶した。「おはよう。アニー。」彼女は座って、花束を受け取った。彼らは黄色いバラの花ことばについて話し、テリィはアニーに「あなたは変わった。あいつはあなたにふさわしくない。彼は貴女に戻って欲しくても、あなたの変化を喜ばない。」と言った。その時執事が黄色、赤、白のバラの花束を持ってきてアニーに渡した。「君のダンディ?」とテリィが聞いた。「はい。」「当ててみよう。彼は許して欲しいと頼んで、愛していると言っているんだろう?彼を信用できないよ。」と彼は言った。アニーは「評価してあげてよ。嫉妬はしていないけれど、結局私達はただの友達ですよね?」と皮肉を込めてアニーはテリィに言った。テリィは正直に腹が立った事、アニーが友達で、友情を大切にしていると言った。アニーは彼を見た。愛の告白ではなかったが、彼女はそれを待っていたわけでもない。彼女は微笑んだ。彼らはまた仕事の一日に出かけた。
アーチーボルドは叔父の別荘にいて、昨夜の話をした。アニーに平手打ちされた事も話した。そしてグランチェスターが彼女の頭の中にナンセンスな事を詰め込んだと言った。彼女は仕事をして生計を立ている話で、アルバートは「面白いね。キャンディの時は勇敢だと思っていたのに?」と言うと、「キャンディは強いが、アニーは弱い。彼女には世話をしてくれる男が必要で、グランチェスターじゃない。」とアーチーが言った。アルバートが「彼女はテリィの家で部屋を借りているだけだと言っていた。二人の間に何もない、ただの友達だ。」と言った。
アルバートは話題を変えて、キャンディの名のもとに、学費を払えない若い女の子の為に学術学校を設立したいと思っている事を話した。アーチーも賛同した。
エレノアは赤いバラの花束が部屋にあるのを見て、公爵が彼女を再征服する夢を諦めていない事を知った。彼女はまだ怒っていて、簡単に彼に落ちるつもりは無かった。彼女は執事に、このバラを病院の人々に寄付するように頼んだ。
ハサウェイは前夜、小さいミーティングで、皆に祝福を送り、次の公演のチケットは売り切れだと言った。エレノアに、個人的に感謝を伝え、それは彼の妻を嫉妬で青ざめさせた。
アーチーがテリィの忠告を無視してアニーを誘いに行くと、執事が彼女はテリィと一緒に仕事に出かけたと伝えた。彼女が劇団で仕立て屋として働いている事で、テリィを呪った。アーチーは劇場へ行ったが、アニーは既に出かけており、午後2時に戻るというメモを見て、アーチーは運が悪いな、と腹を立てる。
彼が別荘に戻ると、サプライズの訪問者がいて、それはパトリシアだった。彼はアルバートの隣に座る彼女を見て驚いた。彼女は立ち上がり、アーチーと抱き合った。彼女は父が雑誌社を買ってくれたので、記者として働いていると告げた。ストラスフォード劇団の役者たちにインタビューをする約束があると言った。アーチーは「一緒に行っていい?」と聞き、「なぜ?」とパティが聞いた。食事に時間になり、イライザもパティに「一緒に行っていいか。」と聞いた。パティは「これは仕事で、社交の訪問ではない。それになぜそんな喜びをあなたに与えるの?私達は仲の良い友達だったの?」とパティが言うと、イライザは真っ赤になって返事をしなかった。アーチーとアルバートは一緒に大笑いした。ニールは首を振り、サラとエルロイは一言も発しなかった。
その後アーチーはパティに食い下がり、アニーがストラスフォードで働いている事、テリィと一緒に暮らしている事などを話して「一緒に行きたい。」と言った。彼女はアーチーを見て、ステアの件で彼女を助けてくれて、少し恩を感じていたので、しぶしぶ同意した。アルバートはそれを見て首を横に振りながら、「分かったパトリシア。私の頼みでここに来たんだよね?」と言った。「キャンディの名のもとに、学費の払えない若い女の子の為に奨学金を設立しました。もしそれについて記事を書ければ…」「もちろんよ。キャンディの為に喜んでするわ。」とパティは言った。そしてアーチーを伴って劇場へ向かった。
テリィの楽屋には、素敵なランチが二人分用意されていた。プレミア後は、彼はあまり公の場に姿を出したくなかった。昼食を注文して、劇場に届いた。彼はアニーと一緒に食事をしていた。パティがカメラマンとアーチーと劇場に到着すると、一緒にテリィの楽屋に通された。彼女は彼からまず始めたかったのだ。テリィとアニーは食事後に、笑いながら走り回っていた。パティたちが笑い声を聞き、アーチーがドアを開けると、丁度テリィがアニーの後ろから抱き締めて大声で笑い合っていた。「なんて素敵な写真だ。」とアーチーが皮肉った。テリィは皮肉りながらアニーを離した。アニーはパティに気が付くと、誘導作戦を仕掛け、「パティ、どうしてNYにいるの?}と聞いた。「まあ、働いているのはあなただけじゃないわ。私には雑誌があるの。」とパティ。「君が、僕が待っている記者か?素晴らしい。」とテリィ。パティはアニーを離し、テリィを抱き締めた。「はい、私です。」「アーチーはここで何をしているの?」とアニーが聞いた。「話に来た。」というアーチー。「話に?昨日で話す事はもう無いと思たけれど?」とアニー。「パティとテリィに仕事をさせた方が良いと思うわ。」と言って、部屋を出た。テリィは二人を見ていて、自分を抑えなければならなかった。パティに向き合い、「オブライエンさん、これで私はあなたのものだよ。」と微笑んで言った。「ありがとう、テリィ。」インタビューが始まった。
アニーは裁縫室に行き、「何を望んでいるの?昨日でクリアになったでしょ?」とアーチーに聞いた。彼は「真面目な話だ。もう一度チャンスをくれないか。」と聞いた。「もうやりたくない。」というアニー。「昨日はやり過ぎたよ。ゆっくり進めるのはどうかな?もし私があなたに求婚したら、もう一度チャンスをくれる?」「いや、アーチー。約束はしない。傷つけられたよ。」彼女はもう彼に興味はなかったが、彼がどこまで自分を取り戻すのか興味はあった。テリィは気に入らないだろうが、残念だ。結局彼らはただの友達だったから。アーチーが白いチューリップの花束を彼女に渡すと、彼女は受け取った。
第9章 テリィとパトリシアのインタビューはうまく行っていたが、彼女はテリィが何か悩んでいる印象を受けた。しかし彼女は何も言わずに続けた。テリィは少しイライラしてきて、「もうすぐ終わる?」と聞いた。「もうすぐよ。どこかに行かなくてはいけないの?」「いいや、今夜の前に少し休みたいんだ。」「ああ、分かりました。手早く終わらせるわね。他の俳優たちに聞いて来るわ。」「許して、パトリシア。ゆっくりしてくれていいよ。」彼は彼女を押さえた。さもないと嫉妬と思われてしまう。テリィはアニーとダンディが何をしているのか知りたくてたまらなかった。
アーチーはアニーの仕事を見ても、シカゴのゴシップしか話さなかった。テリィの言う通りかもしれない。アーチーは彼女に働いて欲しくなかった。彼女はそれに気が付いて悲しかった。でも彼女はテリィと離れるつもりは無かった。彼といると気分が良くなり、自由を感じられた。自分らしくいられるし、彼を感心させる必要が無かった。彼女はテリィをパティに任せた事で申し訳なくなり、彼に会いに行った。アニーがドアを開けると、パティはテリィの表情に安堵が広がるのを見た。「ああ、ごめんなさい。終わったと思っていた。」とアニー。「良いのよ。もう終わりだから。改めて、ありがとうテリィ。」とパティ。「いつでも戻って来て。」とテリィの声のトーンが変わったのにパティは気が付いた。それはアニーの存在のせいだろうか?
「大丈夫?あのダンディは何が欲しかったんだ?」とテリィ。「なんだと思う?」「彼を励ますの?」「どこまでやるつもりか知りたいわ。」「アニー。」「心配しないで。自分が何をするのか分かっている。」「あなたは何年も彼を愛してきた。彼は説得するかもしれない。」「そんな事はないわ。私たちの取り決めが好きで、手放すつもりは全くない。」とアニー。「分かった。話を聞いてくれてありがとう。」とテリィ。アニーは彼が動揺している事を知っていたので、安心させに来た。
エレノア・ベーカーの楽屋は公爵の送ってきた花で埋まっていた。彼は粘り強かった。チョコレートの箱に、夕食のお誘いのメモがあったが、彼女は決して答えなかった。彼女はアルバートと夕食の約束を取り付け、微笑みながら電話を切った。公爵はまだ彼女を取り戻すために苦労し続けるのだ。
アーチーはアニーを探しに出かけ、歩き回った。前夜の芝居は素晴らしかったが、彼は認めるくらいなら死んだ方がマシだと思った。
パティはエレノアにインタビューするために彼女の楽屋に行って、花で埋もれているので驚いた。エレノアは彼女にチョコレートを振舞った。インタビュー中にも花が届き、警備員達が花を持ちだして病院へ持って行く際にも花が届いた。彼女はインタビューを続けて、あっという間に、ショウが始まる時間になってきた。
アニーは衣装に問題があったため、多くの試着室に呼ばれて、あちこち走り回っていた。まるで誰かに妨害されている様だったが、何とかやり遂げた。そして、これまでの様に、テリィと過ごす時間が無かった。
アーチーは、パトリシア達の傍でそれを見ていた。助ける事も出来たが、どうせ彼女に働いて欲しくなかったから、出来れば辞めさせたかった。この出来事で彼女の気力を落とすかもしれない。
劇の後、アーチーはアニーに会いに行き、食事に誘ったが、アニーは疲れているから帰ると言い、料理人が何か作ってくれているというと、アニーに「一緒に行っていい?」と聞いた。「そうは思わないわ。」とアニー。テリィが来て「準備は良い?」とアニーに聞き、二人は一緒に去って行った。「でも、アニー。」とアーチーは苛立って言った。彼はパティの所に戻り、「準備は良い?」とパティに聞いた。「アニーはどこ?」「彼女はグランチェスターと一緒に出て行った…」「ああ、ただの友達だ…」とパティが言えば言うほど、それが真実味に聞こえなくなる印象を受けていた。
エレノア・ベーカーはレストランでアルバート共に夕食を取っていた。彼女は「キャンディが私と息子を和解させてくれたの。」と話し、「本当に?」とアルバート。彼女はスコットランドでの出来事などを話して、キャンディを記念して何か奨学金制度が出来ないか、養父であるアルバートに許可を求めた。アルバートは、「その件では、僕が一歩先を行っている。すでに一つ作り、12月31日に、ホワイトローズボールを開催し、財団の設立を祝います。ご希望であれば、ご寄付も大歓迎します。」と言った。「完璧だわ。神の祝福をあの子の上に…」と彼女は微笑みながら言った。彼らは話しながら、夕食を続けた。
テリィとアニーは家に戻り、家政婦が用意してくれた食事を取った。「車の中で寝ていたよ。」とテリィ。「疲れたの。緊急事態が多くて。まるで誰かが私を妨害して、もっと働かせようとしているみたいだった。」「だから舞台裏で見かけなかったんだ。どこにいるのか気になっていたんだ。」「アーチーと一緒に居ると思っていたの?」「私は…そんな事は考えなかった。君が期待を裏切らなくて嬉しいよ。」「一つだけ驚いた事があった。彼は針の腕が上手だけど、私が仕えた時に一度も手伝わなかった。彼はシカゴのゴシップばかり話して、私の仕事については一言も言わなかった。彼が私の仕事を応援しないのは悲しいと思う。」「悲しまないで、アニー。私を頼りにしていいよ。」とテリィ。彼らは食事を終え、テリィは舞台上での小さな失敗について話し、アニーは衣装の緊急事態について話した。二人は素晴らしい夜を過ごし、もうダンディの話はしなかった。
アルバートはパトリシアに、邸宅の部屋と、写真用に一室を与えていた。だから彼女はアーチーと一緒に食卓に着いていた。アルバートはエレノアと一緒に夕食を取っていたからだ。他のメンバーも一緒にテーブルにいた。アーチーはふくれていた。アニーがグランチェスターと一緒に去ったからだ。「それで、アーチー。アニーを説得してまだ戻れないの?」とイライザが聞いた。「彼女はとても頑固になった。グランチェスターが彼女に悪い知恵を付けている。」「アニーは自分で決断できると思う。勉強をしてNYに来ることを決めた時に、テリィはいなかった。」とパトリシア。イライザは心中で、「あの孤児はテリィと暮らしているが、誰も私からテリィを奪う事は出来ないわ。早くして、アーチー。」と思った。「若いブライトンが結婚もせずに、男性と同棲しているのですか?」とエルロイが聞いた。「アーチーボルド、あなたにふさわしくないと思うわ。」「いや、彼女は欲しんだ、エルロイ大叔母さん。」とアーチー。イライザとパティは言い合いを始め、パティはイライザを嫉妬させ様としたが、アーチーもその過程で傷ついていた。
アーチーとイライザは、アニーとテリィが一緒に居る姿を想像し始め、それが気分を悪くさせた。パティはインタビュー中に、テリィが嫉妬しているのを感じ、アニーが話しに来た時の安堵も感じた。二人はただの友人だが、パティは彼らが恋人になりつつあると確信していた。
パトリシアの雑誌での記事は大成功をおさめ、人々はそれを狂った様に買い求めた。父親はその成果に満足していた。キャンディの名で奨学金の記事と、ホワイトローズボールの事で、アルバートは彼女に、全国を回り、学業を続けたい貧しい少女たち勧誘する様に言った。奨学金の為に最も良い人を選ぶことになり、白薔薇財団は、奨学金を得られなかった人たちの為に、ちょっとした雑用や学びの助けをする予定だった。
クリスマスが近づいて来て、テリィはアニーに家を好きな様に飾って良いと言った。彼女はテリィにクリスマスに何を贈ろうか考えていた。彼女はまれにマフラーや手袋などを編む事にし、色を赤と決めた。また、クリスマスディナーを担当するエレノアと相談して、クリスマスイブのディナーも計画し、クリスマスは家族のお祝いなので、公爵を招待する事にした。
アーチーはアニーにクリスマスを屋敷で過ごそうと誘ったが彼女は断った。アーチーは「自分はキャンディの従兄で、君は彼女の妹。家族の一員で、元婚約者だから」というが、彼女は「家族のお祝いだし、私はもうそちらの家族の一員ではない。テリィとその家族と祝んだ。」と答えた。「シカゴの家族はどうですか?彼らに会いに行かないの?」とアーチー。「彼らは私を勘当しました。聞かなかったの?」と皮肉っぽく言うアニー。テリィが戻って来て、彼女が彼の妻のように振舞っているのを見てアーチーは呆然とした。アーチーは彼に目を向けて、「彼女を奪うつもりは無いだろう?」と聞いた。「何の話?」とテリィ。「必ず取り戻す。君の誘惑は長続きしない。」「本当に何を言っているのか分からない。僕らはただの友達だよ。もし彼女は君とやり直したいならそうするでしょう。」とテリィ。アーチーは我慢で出来ずに部屋から出て行った。アニーは見送りもしなかった。「何が欲しかったんだ?」「クリスマスに招待してくれて…キャンディの従兄として、そして彼女の妹だから‥」「行くの?」「いいえ、クリスマスはあなたと、あなたの家族と過ごすと言ったわ。」「アードレーにも行けるよ。」「でも、アードレーには行きたくないの。あなたの家族と一緒に過ごしたい。」アニーはクリスマスにキャンディと子供達と過ごした事を思い出して、涙ぐんだ。「今年ポニーの家の事を気にかけてくれる人がいる事を願っています。」と言った。「きっと神様が彼らの為に用意して下さるよ。」とテリィ。
アニーはやる事があるからと、部屋に戻って行った。テリィは笑っていた。アニーはとても良い友人として…ただの友達だった。
文字制限を超えたため、「その2」へ続きます。