早朝、物凄い硫黄の臭いで目が覚めました。異常を感じてテントの外へ出ると、白い霧のようなガスが辺り一面に充満していました。
草津温泉の湯釜に閉じ込められたような感じでしょうか。
硫黄ガスが遠く離れたわらびヶ丘まで到達するものなのか?とビックリしました。
娘を幼稚園まで送りに行った夫がすぐ戻って来ました。ガス臭が酷いので休校になったという事でした。
雨が降っていてわらびヶ丘の開墾が出来ない&携帯のバッテリーが昨夜無くなった為、私達一家はヒロの街へ繰り出しました。
ハワイ島は電気代が高いせいでしょうか?電源がなかなか見当たりません。公共の施設では電源にカバーがかかっていて使用出来ないようにしてあったり、ターゲットのフードコートでさえ一切電源はないのです!
今迄家以外の場所で携帯を充電しようなどというケチくさい事を考えたことが無かったので、携帯を充電する事がこんなにも難しい事だったとは初めて知りました。
という事で絶対に電源のあるスターバックスさんにお邪魔し、贅沢にもおコーヒーを飲みながら携帯を充電し、ニュースをチェックしました。今朝方ハレマウマウクレーターが大爆発を起こしたと(ようやく)知りました。
今朝わらびヶ丘が硫黄ガスに包まれたのはそれが原因だったのです。
私達は偶然ヒロに避難して来たという事に驚きました。そしてこのように導かれた事に感謝しました。
夕方晩御飯を食べに赤十字の避難所に行きました。今夜は面白い組み合わせでバーガーとサイミンヌードルでした。とても美味しかったです。
住んでいた危険地帯のご近所さんで、裏の丘のてっぺんに家を建設中の老夫婦がいます。レイラニ地区の噴火が始まって以来、毎日のようにパニック状態で、私達の家に来たり電話をかけて来ては、我々が避難するのは今か今かとチェックしていました。
兎に角頑固者で、建設中の家があるので何が何でも此処を離れないと言って聞きませんでした。
しかし私達が避難したその日の早朝、私達は今パホアに居る(逃げたという事)と伝言メッセージが入っていました。近所でいち早く逃げたのは彼等だったのです。
その老夫婦に会ったので色々な事を聞きました。
私達は避難して以来、近所で噴火したfissure #17についてはメディアの情報しか知りませんでしたが、勢いは衰える事なく増すばかりで、大変な事になっているそうでした。恐ろしくてとても住めないそうです。
娘の面倒を避難所で見てあげるから、その間に家に戻って噴火の様子を目に焼き付けて来いと言うのです!一生に一度見れるかと言うような、想像を超える、凄まじい光景だからと言うのです!
私は咄嗟に私達一家を取材したレポーターを思い出しました。その地区は住民以外は立ち入り禁止で、スクープを撮りたくて仕方がないメディアの人間はなかなか侵入する事が出来ないのです。
私達は住民なので自由に出入り出来ます。夫に私の代わりに彼女を連れて行ってあげたらと相談しました。
12歳の誕生日にプロのカメラを貰った時、これが私の人生だと思ったと言う彼女が忘れられなかったのです。
話は変わって、その老夫婦のお隣二件は未だに避難していないそうでした。この3軒の敷地は丘のてっぺんにあるとはいえまさにfissure #17に隣接しています。
彼らは私達の大家の親友で、彼等が避難しないので、私達一家がする必要が無いのに避難していると思われているので迷惑していました。
大家さんは、私達が避難したので、動物達の世話を彼等に委託しています。私は何故あんなwar zoneの様な所から逃げないでいられるのか不思議に思っていました。
アラスカに退散した大家さんは、彼等の影響で状況をあまり深刻に捉えていません。既に丘の向こうの家が一軒飲み込まれましたし、その真横の家も時間の問題なのです。
老夫婦の話では、彼等が避難しない最大の理由は、お金儲けだったのです!立ち入り禁止のメディアのグループを彼等の自宅に招き入れ、眼の前で大爆発を起こし川のように流れる溶岩をカメラに収めるのと引き換えに大金をチャージしていたのです!
そのうち一軒の娘達は一つのビデオを数千ドルでテレビ局に売ってからと言うもの、毎日危険を顧みず夢中になってビデオを撮り続けているそうです。
全く信じられない話です…
*メディアの画像を注意してみると映像のほとんどが彼らの家のバルコニーで撮影されたものと分かります。皆さん私達が住んでいたのはまさにそこです。
そんなこんなですが、今日も無事でした。
ありがとう。

