会議室にテミンと、2人になった

高校の頃はテミンとは
そんなに仲良くなかったのに
どうして僕を推薦してくれたんだろ?

「テミン、なんで僕を
   付き人に推薦してくれたの?」

不思議に思って、聞いてみた

「君は気づいてなかったかもしれないけど
   僕はずっと君の事を見てたよ
   
   人の世話ばかりしてたよね
   それに、よく相談とかもされてたよね
   相談の内容は絶対口外しないし…
   
    だからさ、電車で偶然あった時に
    君なら大丈夫だと思って
    声をかけたんだ」

テミンの言葉を聞いて
僕はびっくりした

テミンが、そんな風に
僕を見ていてくれたなんて
思わなかったから…

「まあ、とにかく
   付き人をやってみてよ
   先輩は良い人だよ」

テミンが言ったのと同時にドアが開いた

シジョンさんとその後ろから
サングラスをかけた
背の高い男の人が一緒に
部屋に入って来た

光沢のある黒いスーツに身を包んで
芸能人としてのオーラを放ったその人は
僕の目の前に立った

「彼がU-Knowこと
   チョン  ユンホ」

シジョンさんが僕に紹介してくれた

ユンホさんは、ゆっくりと
サングラスを外した

長い睫毛に縁取られた
切れ長の形の目の奥に
漆黒の瞳が輝くように見えた

彫刻のような整った顔立ち

雑誌やテレビで見るよりも
実物は、きめ細やかな肌が綺麗で…

ユンホさんの余りの美しさに
僕は目を見開いて
思わずため息を吐いてしまった

そんな、僕の様子を見て
ユンホさんとシジョンさんは
顔を見合わせて笑った

「彼がシム  チャンミン君
   短い間だけど、仲良くしてね」

シジョンさんが
ユンホさんに向かってそう言った

「よろしく  チャンミン君」

ユンホさんは、微笑みながら
右手を差し出した

僕は…ぼーっと
ユンホさんの顔に見惚れていた

「チャンミン…!」

テミンに声をかけられて
僕は我に返った

「す…すみません 
   こんなに、有名な人にあったの
   初めてなので…」

慌てて、ユンホさんの手を握って
ぺこりと頭を下げた

顔を上げると
ユンホさんが、笑いながら
僕の事を見つめていた

「緊張しなくていいよ
   俺も、普通の人間だからね」

そう言って、肩を軽く叩いてくれた

有名な人なのに気さくな人だと
僕は、正直ホッとした

「じゃあ、明日の朝
   俺のマンションに来てよ
   住所は、シジョンに聞いてくれ」


こうして、僕は…
ユンホさんの付き人になる事に決まったんだ