翌朝

リビングのソファーで目覚めた僕は

2人のために朝食を作るために

顔を洗おうと立ち上がった

 

バスルームに向かう途中

2人が眠る寝室を覗くと

テミンが

ユノさんに抱きついて眠っていた

 

それは、離れた間の寂しさを埋める

テミンの気持ちのようで

僕の心は痛んだ

 

ユノさんも、その思いに応えるように

テミンの体を

腕の中に包み込んで眠っていた

 

そんな姿をしばらく見つめて

僕はそっとドアを閉めた

 

 

それから、ほぼ朝食が出来上がる頃

2人一緒に起き出してきた

 

「おはよう  テミン」

 

眠い目をこすり

ユノさんと一緒にやって来て

 

「おはよう  お兄ちゃん」

 

にこりと笑うその笑顔

そしてそのテミンを

愛おしそうに見つめるユノさん

 

「御飯の用意出来てる

   今日はテミンの大好きなオムレツだよ」

 

「わぁーい   お兄ちゃん

    ありがとう」

 

テミンは飛び上がって

嬉しそうにテーブルに着くと

僕達を待たずに

急いで食べだした

 

それを僕とユノさんは

可笑しそうに眺めた

 

 

ほんの数ヶ月前まで

それは僕達にとっては

当たり前の光景だった

 

なのに…

 

テミンの食事が終わると

ユノさんは

 

「テミン…今日はママの所に帰るぞ」

 

ユノさんがそう言うと

テミンは、急に目に涙を浮かべた

 

「パパどうしても

    帰らないとダメなの?」

    

「ママに黙って出て来たんだ

    今日は送って行く」

 

ユノさんは、わざと厳しい顔を

テミンにして見せる

 

本当は…ユノさんも

帰したくないくせに…

 

でも、このまま

ここに居させる訳にもいかない

 

「テミン  お前のお家はここじゃない」

 

ユノさんはわざと強く言い聞かせる

 

テミンは泣きながら

ユノさんにしがみつく

 

2人のこんな姿は

やっぱり僕に辛過ぎる…

 

ユノさんの幸せと

テミンの幸せ

 

2人の思いを叶える事は

今の僕にはどうにもできない事だった