ドアを開けると
チャンミンの腕を掴んで
上着も脱がずに
一緒にソファに腰掛けた

隣に座った
チャンミンの顔をみつめ
俺は少し強い口調で尋ねた

「それで… 

   俺がユンを追いかけて
   部屋を出た後
   テヨンさんと
   どんな話をしたんだ?」

2人に何かあったと思う訳じゃないけど
聞かずにはいられなかった

チャンミンは
俺の目を真っ直ぐに見つめ
そしてゆっくりと話し始めた

  「 目覚めたテヨンさんは
       僕に言ったんだ

       ずっと夢の中で
       僕の事追いかけていたって…」
       
それは…やっぱり…
チャンミンを忘れていないという事か?

  「夢の中の僕は  
     背中を向けてテヨンさんの前を
     走り続けてた…」

だからテヨンさんは 
ずっとチャンミンの名前を呼んでいたのか

ますます 話の続きを
聞くのが怖くなって来た…

「ユノ…」

チャンミンは 
一瞬   躊躇うように
俺を見つめた


「テヨンさんが
    僕の頬に手を触れた後
    
    ありがとう…って
    言ってくれたんだ」
    

ありがとう…

その言葉の意味を
俺は測りかねた


「それは…何故?」

聞き返した自分の声が
微かに震えたのがわかった

あんなに大切に想っていた
チャンミンを
そう簡単に忘れられるはずがないのは
わかっていたけど…

テヨンさんの気持ちを
知りたいと思いながら
それを恐れる自分自身を
感じていた

チャンミンも
そんな俺に気が付いて
胸の中に飛び込むように
抱きついてきた

「やっと僕に追いついて
    手を掴んだ時に
    目が覚めたと

    意識がはっきりした時
    目の前に僕がいて
    驚いたって…

    そして
    やっと自分の気持ちが叶ったと
    言ったんだ」

チャンミンは
そう言って
俺を見上げた

気持ちが叶った…?
それはどういう事なんだ?

これから
チャンミンが
何を言おうとしているのか
俺の心は不安な気持ちで
揺れていた