次の日
チャンミンに会うために
病院に向かった

昨日の2人の姿を思い出し
病室の前に立ち止まって
ドアを開けるのを躊躇った

少しだけ開いた
ドアの向こうから

「チャンミン…」

名前を呼ぶ
テヨンさんの
掠れた声が聞こえた

ユンの話は
やっぱり、本当だった…

俺は
ドアの前で立ちつくして
病室の中に入っていいのか迷ったけれど

ドアを開けて
チャンミンに声を掛けた

「チャンミン…」

「ユノ…」

俺に声をかけられて
振り返った
チャンミンの表情が
戸惑っている様に見えた

自分の名前を呼ぶ
彼の声が聞こえたのかと
心配したのだろうか?


ベッドのテヨンさんに目をやると
相変わらずチャンミンの手を
握ったままだった


「ちゃんと寝てるのか」

ずっと、付き添っている
チャンミンの身体が心配だった

「大丈夫…
   ちゃんと仮眠は取ってるから」
   
そう答えたチャンミンは
目の下にクマが出来ていて
かなり疲労しているように見えた

 
「テヨンさんの意識は
    戻らないのか?」

「まだ…

    僕も早く良くなって
    欲しいと思ってる…」

チャンミンはテヨンさんを
心配そうに見つめて
彼の手に自分の手を重ね
優しく撫でた
 

その時
身体がピクリと動き
呻き声を上げ
全身が微かに揺れ始めると
うっすらと目を開けた

「チャンミン…」

テヨンさんは
視線が定まらないまま
何度も繰り返し
チャンミンを呼び続けていた

「テヨンさん!」

チャンミンは
手を握り締めて
大きな声で呼び掛けた


自分の名前を呼ぶ
チャンミンの声が聞こえたのか

少しずつ
目の焦点が合い出して
テヨンさんが
意識を取り戻し始めた