ユノさんの背中に手を回すと
微かに震えているのを感じた

不安で押しつぶれそうなのだろうか…?

ユノさんが、僕には
ありのままの姿を見せてくれている…

その事がとても嬉しかった

僕から始めた口付けは
ユノさんの方から
さらに深く重ねられた

だんだん熱くなる身体に
熱を帯びる
ユノさんの唇

だけど…今日は
これ以上先に進めない

慌てて、ユノさんの身体を
押しやると
ユノさんに腕を掴まれた

「これ以上はしないから…
もう少しだけ
このままでいてくれ」

ユノさんの不安を
全て受け止めるように
そのまま
ユノさんのされるがままに
身を任せた

もしも、テミンと
引き離されたら…
ユノさんの思いが
わかる気がした

僕もユノさんがいなくなったら…
そう思うと
胸がぎゅっと締め付けられるような
気持ちになる

僕はユノさんの背中を
彼が眠りにつくまで
ずっと撫で続けた


翌朝

テミンがヨニさんと
手を繋いで起きてきた

「お兄ちゃん おはよう
昨日はママが
絵本を読んでくれたんだ」

嬉しそうに話すテミンと
優しげな表情で見守るヨニさん

2人は、やっぱり親子なんだ

その姿を見て
僕の気持ちは
なんだかもやもやした

ずっと、テミンを
ユノさんに任せきりだったのに
今更、ユノさんから
テミンを引き離そうとするのだろうか?

そんな不満が
頭の中をよぎった

だけど顔には出さずに

「良かったね テミン」

そう言って
頭を撫でてやった

「急におしかけて すみません
何時も、テミンと
寝て下さっているんですってね

テミンがずっと
貴方の事を
話して聞かせてくれました
何から何までお世話になって
感謝しています」

ヨニさんは母親らしい
穏やかな笑顔を浮かべた

「僕も、ユノさんに助けて頂いたので
お互いさまなんです
気にしないで下さい」

僕は複雑な気持ちで
ヨニさんと話をしていた

しばらくすると
ユノさんも起き出して来た

「ユノ おはよう
昨日はありがとう」

「ん…」

ユノさんは
ヨニさんをちらりと見て
不機嫌そうに頷いた

でも、そんなユノさんの様子に
全く気づかないヨニさんが

「しばらく、テミンを
私に預からせて?」

そんな事を言い出した

一瞬
僕達の間の固まった空気を

「ママと一緒に居られるの⁉︎」

テミンのはしゃぐ声が
打ち消した

「テミン 良かったな」

少し間を開けて
ユノさんはそう答えた

だけど、振り返って見た
ユノさんの表情は
少し引きつっている様に見える…

そんなユノさんの様子が
心配で仕方がなかった

だけど僕は見守ることしか
できなかったあ