最初は、驚いた顔で
俺の話を聞いていた
チャンミンは
話が進むうちに
目に涙を浮かべていた

「自分の幸せを考えなかったんですか?
貴方だって…誰かと出会って
結婚して、子供を作る
そんな幸せがあったかもしれないのに…」

テミンを引き取ると決めた時
そんな事を考えた時期も
正直なところあった

だけど…

「でも、テミンがいなかったら
君に思いを伝える事が出来なかった

テミンが俺たちを再会させてくれたんだ」

初めて会った時に
チャンミンに惹かれた…

でも、テミンがいなかったから
もう一度会う機会は
無かったかもしれない

それに、テミンといる
チャンミンの姿を見て
ますます彼を好きになった

今こうして
チャンミンを抱き締めているのも
テミンがいてくれたから…


そう考えると
全ては
こうなる様に
決まっていたのかもしれない

「他の誰か…じゃなくて
君に出会えて
良かったと思うよ」

真っ直ぐに
チャンミンの瞳をみつめた

「こんなに愛したいと
思う人に巡り会うなんて
俺たちは出会う運命だったんだよ」

顔を近づけて
そっと頬に唇で触れた

「誰よりも 君が好きだ…」

耳元で
そう囁く

チャンミンの瞳から
一筋の涙が零れ落ちた

「僕も…貴方が好き…」

震えるような小さな声で
答えた後
俺の胸に顔を埋めた

その仕草が
愛おしくて…

チャンミンの顎を指で押し上げて
そのままそっと唇に触れた

柔らかな
感触の心地よさに
身体中が熱くなる

想いのままに
深く口づけをして
チャンミンの身体を抱き締めた

このまま…離したくない…
もっと触れていたい…

強い感情が
心の底から湧き上がる

「君を…抱いて…いいか?」

思わず、口にしていた

その言葉を聞いて
チャンミンの身体が
微かに震えた

その身体の振動が
俺にも伝わってくる

しばらく、黙ったまま
俺を見つめていチャンミンが
頬をほんのりと赤く染めて
小さく頷く

その仕草に
ますます身体が熱くなった

「いいのか?」

今度は答えを待たずに
チャンミンを抱え上げて
寝室へと
向かって行った…