もしかしたら…
今の関係が壊れてしまうかもしれない…

頭の中では、わかっていたけれど
自分の行動が止められなかった

気持ちのままに
チャンミンを抱きしめて
更に深く唇を重ねていた…

チャンミンは
初めは驚いた顔で
俺を見つめていたけれど
ふっと表情を変えると
目を閉じて
俺の胸に身体を預けて来た

どれだけの時間
そうしていたのか…

しばらくして
唇を離すと

「ごめん…」

抱きしめたまま
そう呟いた…

「どうして…謝るんですか?」

俺の瞳をじっと見つめて
不思議そうな顔をした

「いきなり…こんな事……」

俺が言葉を言い終える前に

「嫌じゃ…なかったから…」

そう言って
抱きつくようにして
俺の胸に顔を埋めた

「こんな気持ちになったのは…
    初めてかもしれません

    先輩への気持ちとは全然違う…
    ユノさんなら…どんな事でも
    嫌じゃないんです…」

「チャンミン…」

「テミンが可愛くて
    一緒にいるのが楽しかった…

   そして、3人で同じ時間を
   過ごすうちに
   僕の中で、貴方の存在が大きくなった

   いつの間にか、貴方を…
   意識するようになっていました」

チャンミンの声は
泣いているのかと思う程
震えていた

「でも…貴方にはテミンがいる

    だから、僕の気持ちは
    貴方には迷惑でしかないと思って
    自分を抑えていました…」

「初めて見かけた時から
   君に惹かれていたよ」

俺の言葉に
チャンミンは驚いた顔をして
俺を見上げた

その顔を両手で優しく
包み込んだ

「俺の方こそ
   シオンさんのことや
   テジョンの事を考えて
   気持ちを伝えちゃいけないと
   思っていた」

そう言いながら
耳元に顔を近づける

「君が…好きだよ」

チャンミンの薄茶色の瞳に
薄っすらと涙が滲んでいた

「ユノ…さん?」

一瞬キュッと唇を噛み締めて
ゆっくりと
俺の顔に自分の唇を近づけて来た

「僕で…いいの?」

返事をしようとした時
チャンミンの唇が重なって
言葉を封じられた

チャンミンから…口付けされて…

俺の胸の鼓動は早鐘のように
鳴り続けた…

このまま、ずっと
こうしていたい…
そう、思ったけれど

俺は、チャンミンの唇から
名残惜しそうに離れると

「もう少し…このままでいたいけど…
    ナミさんとテミンが
    心配しているから
    とにかく、一度家に帰ろう…」

肩を抱き締めたまま
そう、呟くように言った

チャンミンも
コクリと小さく頷いた

「これからは、俺が
    君を守るから…

    他の誰にも
    君を触れさせたくない」

身体を引き寄せて
もう一度
しっかりと抱き締めた

チャンミンを誰にも渡したくない

激しい気持ちが
胸に沸き起こる

そして
俺の腕の中に
チャンミンがいて
抱き締めている

これは…夢じゃないと…
確かめたいと思っていた