「テミンだけ?」

「えっ?」

「君の癒しになっているのは
   テミンだけなのかな?」

俺が少し拗ねたように言うと
チャンミンは、くすっと笑った

「もちろんユノさんも…
    いてくれるからですよ」

可笑しそうに笑うチャンミン

2人で顔を見合わせて
微笑み合った

「もうこんな時間…
   そろそろ寝ないと
    明日の仕事に障りますよ」

時計を見ながら、チャンミンは
俺の飲んだカップを
片付け始めた

「そうだね…そろそろ寝るかな?」

もう少し話していたいな…

そんな気持ちが湧いて来て
名残惜しかったけど
ゆるゆると時間をかけて
ソファから立ち上がった

部屋を出るために
ドアのところで
キッチンでコップを洗っている
チャンミンを振り返った

「おやすみ   チャンミン」

チャンミンは手を止めて

「おやすみなさい  ユノさん」

にっこり笑った
その笑顔を見て
まだ部屋に戻りたくない…
そんな気持ちになった

もう寝ないといけない
だけど
まだ、話がしたい

俺は未練たらしく
部屋の入り口で足を止めた

もう一度、チャンミンの顔を見て
部屋を出ようとした時

「こんな風に、ユノさんと
   ゆっくり話すのもいいですね」

そんな言葉をかけてくれた

「いつも、テミンと一緒で
   ユノさんと2人ている事
   少なかったですもんね」

「以前は、1人でベッドで
   眠れてたのに
   最近は君がいないと
   1人で寝られなくなったからな
   
   おまけに朝まで一緒に寝てるし…」

恨めしげに言った俺に

「すみません…
   テミンももう5歳なんだから
   1人で寝れないと
   いけませんよね…
   気をつけます」

チャンミンがすまなそうな顔をした

「これからは…
    テミンが寝てから
    一緒にお酒でも飲もうか?」

前に、チャンミンは
お酒が好きだと言っていた事を
思い出した

俺は、お酒は
好きな方ではないけど
チャンミンと一緒にいられるなら
付き合うのもいいな…
そう思った

「時間が合う時に…一緒に飲みましょう
   今度、美味しいお酒を買っておきますね」

チャンミンは嬉しそうに
微笑んでくれた

また少し
チャンミンとの距離が
縮まったような気がして
俺は嬉しかったんだ