チャンミンの気持ちを
確かめたいと思いながら

夜はテミンと一緒に寝てしまう
チャンミンと
なかなか話が出来ない…


「お兄ちゃん コレ読んで!」

チャンミンが来てからの
テミンは
夜寝る時に
本を読んでもらう事を
よく強請るようになった

今日もお気に入りの本を持ち出して
嬉しそうに
2人で手をつないで
寝室に行ってしまった

2人の後ろ姿を見送って
俺は思わず
ため息を吐いた

この前までは
もう1人で寝られると
頑張っていたくせに…

テミンを羨ましく思ってしまう

テミンのわがままに付き合って
チャンミンも嫌な顔をせずに
付き合ってくれている

一緒にベッドに入って
本を読んだ後
そのまま寝てしまう毎日

チャンミンと顔を合わせている時は
いつもテミンが一緒で
2人きりで、話す時間は
なかなか作れなかった



その日
俺は、転勤する同僚の送別会に
参加する為に
帰りが遅くなる事になった

今まではナミさんに
預かってもらっていたので
出来るだけ早く帰るようにしていた

「僕がテミンと一緒に寝てますから
時間は気にしないで
ゆっくりしてきて下さい」

チャンミンの言葉に甘えて
テミンの事は、安心して任せて
俺は夜中に家へ帰って来た

2人が起きないように
そっと玄関のドアを開けて
音を立てないように
部屋の中に入った

喉が渇いたので
俺は、キッチンに入り
冷蔵庫を開けて
ミネラルウオーターを
取り出していた

「おかえりなさい」

声が聞こえて
後ろを振り返ると
チャンミンがドアのところに立っていた

「起きてたのか?」

びっくりして声を上げた

「ちょうど、目を覚ましてたら
玄関の開く音が聞こえたんです
飲み過ぎてませんか?
はちみつ水を作りましょうか?」

俺が頷くと
チャンミンは冷蔵庫から
はちみつを取り出した

コップにはちみつをひと匙とり
お湯を入れてスブーンでかき混ぜた
はちみつが溶けてから
冷たいミネラルウォーターを入れて
はちみつ水を作ってくれた

ソファに、寄りかかるように
座っていた俺の前に
チャンミンはコップを置いて
自分も俺の隣に腰掛けた

「これ、飲むと
明日が楽になりますよ」

そう言って、微笑みかけてくれた

「ありがとう」

チャンミンが入れてくれた
はちみつ水に口をつけながら
チャンミンの顔に
改めて見惚れた

酔っているせいか
何だか話がしたくなった

「チャンミン…
君は
誰かを好きになった事はないの?」

いきなりそんな事を
言い出した俺に
チャンミンは驚いた顔をした

「ユノさん…?
何でそんな事を聞くんですか 」

「………」

チャンミンの問いかけに
言葉を詰まらせた

俺はチャンミンに何が聞きたいのか?
何を告げたいのか
自分の心に答えを探していた…