昼飯時
社員食堂でドンへと向き合って
日替わりランチに
箸を運んでいた

「お前 何だか
楽しそうだな
なんかいいことあった?」

先に食事を終えたドンへが
テーブルに肘をつき
自分の顔を支えて俺を見た

俺の顔を覗き込みながら
いきなりそんな事を言いだした

「この間、ぼーっとしてた時の
彼女と上手くいったのか?」

ドンへの感違いを
訂正する気になれなくて

「彼女とかじゃないけど…
最近知り合った人がいる

テミンも懐いてて
いろいろ世話になっている…」

言葉を濁して
誤魔化した

「最近のお前
いつも機嫌良さそうだし
テミンも懐いてるなら
その人と上手くいくといいな」

何も知らないドンへは
にやりと笑って
俺を励ましてくれた



その日の午後
仕事の途中
バソコンのキーボードを
叩く手を止めて
チャンミンの事を思った

自分の気持ちが
まだ、はっきりとわからないけど
今の暮らしに幸せを感じている

俺は…チャンミンの事を…
好きなのだろうか?

だとしても…彼の気持ちは?

男に付きまとわれて
怖がっているチャンミンに
自分のこの気持ちを伝えて
戸惑わせる事になるのではないか

そう思うと
とても、不安になった

初めて会った時から
彼の美しさに惹かれた

今まで出会った誰よりも
綺麗だと思う

そして…テミンに接する
彼の優しさを見て
さらに、チャンミンの事を
愛しく思うようになった

あの日の出来事で
俺は…間違いなく
チャンミンに恋をしたと自覚した

ただ…
チャンミンに
自分の気持ちを今
伝えていいのか…

正直な所
俺は迷っている

一番の理由は….俺には
テミンがいる

テミンを育てなければいけない

誰かと恋愛をしている
余裕がないし
付き合ったとしても
テミンの事で
相手に負担をかける事になる

それに…
チャンミンがシオンさんの事を
本当はどう思っているのかも
知りたくて仕方がない

もしかしたら
本当は
彼の事が好きだったんじゃないのか?

俺はそう感じていた

仮にそうだとしても…

やっぱり彼への気持ちが
募るのを感じていた

そして
もしも俺が
自分の気持ちを打ち明けた時

彼が…
俺を受け入れてくれるのか

胸の中が不安でいっぱいになった