チャンミンが
変な人に付きまとわれて
困っているから
しばらくここで一緒に暮らすと
ナミさんに話した

「チャンミンさんは
女の子のように綺麗ですもんね
変な気持ちを起こす人
いるかもしれまんね」

ナミさんは、とても心配してくれた

それから、俺とテミン
チャンミンとの3人の生活が始まった


今までは
俺がバタバタと
目玉焼きを焼いて
トーストとインスタントスープの
簡単な食事を作っていた

今朝は目を覚ますと
チャンミンがすでに起きていて
オムレツとサラダと
野菜をいっぱい入れたスープを
作ってくれていた

暖かい手料理に
気持ちがほっこりとして
顔が自然と綻んだ

「ユノさん おはようございます
テミンを起こしてもらってもいいですか?」

チャンミンに言われて
テミンを起こしに行く

なかなか起きないテミンを
抱え起こして、服を着替えさせる

「テミン…朝だよ
お兄ちゃんが
美味しい朝ごはんを
用意してくれているよ」

俺が声をかけると

「う…ん パパ
ごはん ぼく たべる…」

寝ぼけたまま、返事をする
その可愛い姿に
思わず笑みが溢れた

「おはよう テミン」

着替えを済ませて
キッチンに顔を出すと
チャンミンが笑顔で
声をかけた

「お兄ちゃん おはよう!」

今まで寝ぼけていたのに
チャンミンを見つけると
すぐに駆け寄って
抱っこを強請った

チャンミンに抱き上げられると
彼の頬にキスをするテミン

まるで、母親に甘えるように
幸せそうなテミンの様子

一時だけかも知れないけれど
家庭の暖かさに
触れられたような気がした

「あっ?ユノさん」

チャンミンが俺を見て
くすっと笑った

俺は、不思議そうな顔を
チャンミンに向けた

「シャツのボタン…
掛け違えてますよ」

チャンミンにそう言われて
着ているシャツに目をやると
確かに2番目と3番目のボタンを
間違えていた

「寝ぼけていたからかな…?」

自然と赤くなる顔を
誤魔化すように
頭を掻いて
慌ててボタンを掛け直した

「パパ 慌てん坊だね」

テミンが俺を見て笑った

その声につられて
俺とチャンミンも
顔を見合わせて笑い合った

なんだか幸せな気持ちになった…

まるで夫婦のようだと
錯覚してしまう程
チャンミンに優しい眼差しを
向けられて
俺はとても嬉しかった