「お兄ちゃんのお部屋はここだよ」

テミンが嬉しそうに
案内した部屋の中には
俺の使わなくなった物が
いろいろと置かれていた

「まずは…片付けないと…」

チャンミンに見られて
俺は恥ずかしくなって 顔を赤らめた

「大丈夫ですよ
今日は寝られれば大丈夫ですから
ここにある物は
僕が片付けてもいいですか?」

チャンミンは
クスっと笑って
俺の顔を見た

「そうしてくれると
助かるよ」

俺は片付けるのが下手で
何時も、部屋の中は
こんな状態だった


そんな俺たちのやり取りを見て
テミンが、機嫌悪そうに
俺の服の裾を引っ張った

そんなテミンの表情に
チャンミンが気づいてくれて…

「とにかく
テミンがお腹空いてるでしょう?
何か、作りますね」

チャンミンがキッチンに立つと
テミンが横に着いて行った

「テミン…この野菜を洗って…」

テミンに手伝わせながら
手早く料理を作ってくれる
チャンミンの姿を
俺はソファに座って眺めた

彼は…本当に
まるで母親のように
テミンに優しく接してくれる

雰囲気が柔らかいし
優しくて綺麗だ

あのテジョンが
好きになるのも無理はないかも…

そんな思いで
チャンミンをじっと見つめた

何時も
一緒にいたという
先輩のシオンさん

それに
その人が好きだったかと
聞いた時のチャンミンの
表情も気になった

何故だか
シオンさんの事が…
チャンミンの気持ちが…
気になって仕方がない

あのテジョンがチャンミンを
ずっと追いかけ回していた事も
腹正しい

何故だか、イライラした
感情が湧き上がってくる

もしかしたら…
俺は…

「パパ⁉︎」

何度もテミンが声をかけられていたのに
考え事をしていた俺は
気づかなかったようだ

「御飯 出来たよ!」

テーブルに用意された
料理を指指してテミンが
俺の手を引っ張った

「美味しそうだな」

俺の言葉に
チャンミンが嬉しそうに
微笑んだ

「パパ 僕お腹空いたよ
早く食べようよ!」

テミンはさっきと椅子に座ると
箸を持ってテーブルを叩いた

「俺も、お腹ぺこぺこだよ」

チャンミンと向き合うように
腰掛けた

「いただきます」

みんなで手を合わせて
料理を食べ始める

幸せなひと時…

テミンを気遣いながら
食事をするチャンミンの姿を見て

俺は…自分が…
彼に惹かれ初めていると
感じていた