シオンさんは
それから、いつも僕と図書館で
同じ時間を過ごしてくれた

それは、シオンさんが
卒業するまで続いた

シオンさんは
誰からも好かれる人で
彼といると
僕たちの周りに自然と人が
集まって来た

「チャンミンは
わかってないんだよ」

「みんな、君と話したくて
仕方がなかったんだ」

みんなにそう言われて
人見知りだった僕も
シオンさんの友達と話している内に
不思議と、人と話す事が
嫌じゃなくなっていた

テジョンも僕の周りに
いつも人がいるから
近づけない

それでも、シオンさんは
何時も一緒にいてくれた

シオンさんは卒業して
医学部に行った

勉強で忙しいはずなのに
毎日のように
会いに来てくれた

「テジョンが変な事をしないように
俺が側にいない時は
誰かと一緒にいるんだぞ」

何かと気にしてくれて…
約束通りに
僕の事を
見守ってくれて…

いつの間にか僕は
シオンさんと
同じ道に進みたいと
思うようになっていた

同じ大学の
看護学科に進んだ

シオンさんが
小児科を専攻したと聞いて
小児科の看護師になりたいと思った



シオンさんと出会って
僕は人生が変わった

人見知りで孤独を好む性格が
誰とでも話せるようになった

何時もシオンさんが
側にいてくれたから
僕は何時も心強がった

同じ大学病院に勤めていた
1年前まで
それは、変わらなかった…

最初に出会ってから
10年以上…
僕はシオンさんに
頼って甘えていた

そんな関係が心地よいと
ずっと思っていたんだ…