チャンミンside

「一緒に…暮らしてくれませんか?」

そう、これが僕の本当の気持ち…

僕の言葉を聞いて
ユノさんは、驚いた顔をして
僕の事を見ている…

「もちろん…今すぐでは
ないんです」

僕は、言葉を続けた

そう…すぐには一緒に暮らせない…

だって僕は…
明日から、初めて
社会に出て行くのだから…

「僕が、ちゃんと仕事をして
今よりも、いろんな事に
責任を持てる様な人間になって

あなたの隣で歩いて行くのに
相応しい大人になったと
自分で思えるようになった時

あなたの所へ…
行ってもいいですか?」

ユノさんは、驚いた表情のまま

「チャンミン…
仕事は…?
せっかく、高校の教師になったのに
辞めて俺の所に来るのか?」

そう言って、心配してくれた


ユノさんと一緒に
学校で絵を書いている時に
将来の夢を聞かれて

「ずっと…人に絵を教えていきたい
だから、教師になったんです」

そう、答えた事を
憶えいてくれたんだ…

「絵を教える事は
学校でなくても出来ます

それに…
本当は…小さな子供達に
絵を教えたいんです

だから、
ちゃんと一人前の教師になれたら
ユノさんの近くで
子供の絵画教室を開きたい…

そう、考えては
いけませんか?」

いつか一緒に…暮らしたい
あなたの側で
子供達に絵を教えたい…

それは、僕のわがままなのだろうか?
黙り込む、ユノさんを見て
僕は…不安になった

ユノさんは
しばらく考え込んだ後
ゆっくりと僕に顔を向けた

「俺と暮らしていいのか?

俺は…仕事に熱中すると
周りが見えなくなるし
きっと、君に
寂しい思いをさせてしまうと思う

それでも…いいのか?」

その言葉で
ユノさんが、過去の出来事を
気にしているのがわかった

「僕は…
子供達に絵を教えながら
あなたの帰りを待っています」

ユノさんと一緒に暮らす事が出来れば
それだけで、充分にしあわせなんだ…

寂しいと思うことなんてない…

この気持ち…
恥ずかしくて
口に出来ないけど
ユノさんには
きっと伝わっていると思う…


「ありがとう…チャンミン
一緒に暮らそう

君が俺の所へ…
来る日を待ってる」

ユノさんは
僕の腕をを引き寄せると
強く抱き締めてくれたんだ…