インターネットカフェで
髪をセットして、ユノさんに借りた
ジャンパーを羽織って外に出た

ユノさんのライブハウス「with」には
もう、たくさんの女の子達が並んでる

余りの人の多さに、僕が戸惑っていると
後ろから、テミンに肩を叩かれた

「何、ぼーっと見てるの?」

「だって、あんなに沢山の女の子が…」

僕が、行列を指差すと
テミンがクスクスと笑いだした

「みんな、情報速いよね
もう、チャンドラの事知れ渡ってるらしいよ
あの子達の半分以上は
君を見に来てるんだよ」

「えっ⁉︎」

テミンの言葉に驚いていたら
「ほら、見つからないうちに
楽屋に入んないと、大騒ぎになるよ」

そう言って、腕を引っ張られた
でも、すでに気づかれたようで
数人の女の子達が僕らに向って駆けくる

テミンが素早く、間をすり抜けて
僕らは店の中に入る事が出来た

中に入ると、ユノさんが

「チャンドラ、あっと言う間に
人気者だな!」

笑いながら、出迎えてくれた
でも、すぐに厳しい顔になって

「でも、これだけの客に見られるなら
もう少し、ちゃんと歌えるように
ならないとな!
今日は、もっとリハやるよ」

と、言った

すでに、他のメンバーは
スタンバイしていてくれて
僕とテミンがステージ中央に上った

リハーサルは
昨日より厳しいユノさんの声が
飛んだけれど、僕の歌も
だんだん様になってきたようだ

最初は厳しかったユノさんの顔が
徐々に満足そうな微笑みに
変わっていったから
そうなのかと思った

「OK!じゃあ、あと30分したら
客入れるぞ
テミン、チャンドラ!
早く準備しろよ!」

ユノさんの声で、リハーサルが終わり
僕とテミンは、急いで着替えて
ステージ用の化粧をした

緊張感はあるけれど
昨日よりもそれを楽しんでいる
自分を感じる
それがとても不思議だった