俺の胸を強く押して
体を離した後、チャンミンは
真っ直ぐに、俺を見た

「僕は、ユノさんに
   守られるだけの、存在ですか?」

チャンミンの言う、言葉の
意味がわからずに、俺は戸惑った

「僕が…あなたを守ることは
   出来ませんか?」

「チャンミン?」

キュッと唇を噛んで、俯いた後
決心したように、強い眼差しで
俺を見た

「あなたが、もしも
   目が見えなくなれば
   僕があなたの目になる…

   体が不自由な所があれば
   僕が支えになる…

   もしも、僕を忘れたら…」.

「忘れたら…?」

「僕はちゃんと覚えてるから
    初めからやり直せばいい…」

「初めからやり直す…?」

チャンミンは、俺に抱きついて
背中に回した両手に
強く力を込めた

「何があっても、あなたのそばを
   離れません
   もう一度出会って
   僕のことを好きになって下さい…

   それまで、僕は、待ってるから
   だから、手術を受けて…」

俺は、呆然として
チャンミンを見た

もう一度
チャンミンを好きになる?
そんなこと、考えもしなかった

忘れることだけが
怖くて、恐ろしくて
手術をしない事を選ぼうとした

そんな、俺に
初めから、やり直せと言った….
チャンミン、優しいお前の中にあった
その心の強さに驚いた

お前を守っていると
思い込んでたけど
本当は、
俺が頼って、甘えていたのかもしれない

お前の、その強さと優しさに触れて
ますます好きになった
一生、俺がそばにいるのは
お前だけだ

初めて、心から
俺に、帰る場所が出来たと
思った

何があっても、かならず
お前の元に帰ってくる

お前の
「おかえりなさい」

の、声を聞くために…

   


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                       にらい