仕事から戻ってみると
ユノさんがまだ戻っていなかった

携帯にはメールで
ドンへさんと飲んで来るからと
連絡が入っていたけれど
なんだか、とても不安な気持ちが
離れない

何もないのなら
一番先に僕を安心させてくれる
今までのユノさんだったら
きっとそうしてくれたと思う

だから、余計に
戻らないユノさんに
何があったのか、知りたくて
たまらない

不安な気持ちで待っていたら
ドンへさんから電話が入った

「ユノが酔い潰れて動けない
   タクシーから、降ろすの
   手伝ってくれないか?」

マンションの下に、タクシーで
乗り付けているけど
ドンへさん一人では、ユノさんを
抱えきれないらしい
僕は慌てて、駐車場へ降りた

タクシーには、ほとんど意識のない
ユノさんが、ぐったりと
寝入っていた

僕とドンへさんで両脇を抱えてて
引きずりながら、部屋まで運んだ

ベッドに寝かせて、靴や靴下を
脱がせて、毛布を上からかけた

ユノさんは苦しそうに
呻き声をあげた

「具合悪いの?ユノさん!」

揺すってみたけど、返事はない
心配する僕に

「大丈夫だよ、ただの飲み過ぎ…
   心配しなくていいよ」

そう言ったドンへさん…
嘘が下手だね
顔がとっても、辛そうだよ

何故、ユノさんは
僕のことを守ろうとばかりするの?

そんなに、僕はあなたに
頼ってばかりなのかな…

ユノさんが辛い時、僕では
支えになれないの?

ドンへさんを見送った後
ユノさんの寝顔に、そう呟いてみた

ユノさんは何度も

「チャンミン…」

僕の名前を呼んで
辛そうな顔をした

何をそんなに苦しんでいるのか?
少しは、僕にも、
その辛さを分けて欲しい
僕を頼って欲しいと思うのに

全てを一人で抱えこまないで…

一緒にいるのだから
二人で、乗り越えていこうよ…