本当は、1日入院した方がいいって
言われたけど
どうしても、帰りたいと
我儘言って、ユノさんに
連れて帰ってもらった

ユノさんにソファに座らせられて
毛布を掛けられ、寝かせられた

デリバリーの食事をテーブルに
並べて、お皿を用意してくれる
ユノさんの姿をぼんやりと眺めている

痛み止めの薬を飲んでいるせいか
頭がぼんやりして、身体が
ふわふわ浮かんでいるような
錯覚さえする

「チャンミン、用意できたよ」

そう言って、僕を起こそうと
伸ばされたユノさんの手を
掴んで、思わず頬ずりをした

ユノさんはちょっとびっくりした
顔をして、僕を見た

「ユノさんの手暖かい…
   この手で、僕を温めて…」

ふわふわとした気持ちのまま
そう言った僕に
ユノさんは、柔らかい微笑みを
浮かべて、優しく抱き締めてくれた

ユノさんの胸は広くて
大きくて、僕をすっぽりと
包んでくれる

ゆらゆら、気持ちが良くなって
何だかとっても安心出来る

僕が一人ぼっちになって
初めて感じる気持ちだった

ずっと、不安で心細かった
誰かにずっと甘えたかった

本当はそうだったんだと
今日、初めて気がついた

このまま、ずっと
この胸の中にいられたら
どんなに幸せだろうと
本当に思った

僕はユノさんが好きなのかな?

でも、ユノさんは
同じ様な境遇の僕に
同情してくれてるだけだよね

でも、今だけは
このまま、ここにいさせて

この、ゆらゆらした
気持ちのままで、
あなたの温もりを感じていたいよ

あなたの胸の中は
僕の、不安を遠くへ押しやり
幸せだけを与えてくれる
きっと、あなたといたら
僕は幸せになれるんだろう

そう、思うと
ちょっぴり切なくなった