「チャンミン、君は間違ってる
    スルギ一人が一人ぼっちじゃ
    ないだろう?
    チャンミン、君だって
    一人じゃないか?」

俺がそう言うと、チャンミンは
びっくりした表情で、顔をあげた

「君だって、両親をなくして
   それから、1人で生きて来ただろ

   俺だって、母親がいないけど
   ちゃんと生きて来た
   世の中に親がいなくても
   ちゃんと生きてる奴は
   たくさんいるよ

   ましてや、スルギは
   病気になったけど
   ちゃんと母親は生きてるんだ
   だったら、その母親を支えて
   病気を治して
   ちゃんと生活することも
   出来たはずだろ?

   スルギは、それもせずに
   自分で家族から逃げたんだ
   それをチャンミンの所為にして
   自分を哀れんでるだけだ

   そんな奴に、同情することはない
   チャンミンが自分を責める
   必要なんてないんだ」

そう言って、チャンミンの
頬を両手で挟んで
流れる涙を受け止めた

チャンミンは、何度も何度も
頷きながら、唯涙を流し続けた

「君は、何も悪くない
   もう、何も思わなくていいから」

チャンミンが背中を手を回し
そのままそっと抱きしめた

チャンミンはされるがままに
身を任せてて、俺に寄り添った

「さっきは、ごめんよ
    興奮を抑えるためとは言え
    無理矢理…」

「嫌じゃなかった…」

俺の言葉を遮って
小さな声で呟いた

「嫌じゃなかったから、
    ユノさん…」

その時、チャンミンの姿を見て
囁くような声を聞いて
胸が締め付けらて
苦しくなった

この気持ちが、何なのか
自分に、問いかけてみなくても
わかっていた

俺はこの子を守ってやりたい
心から、そう思った