俺は悔しくて、キュッと唇を
噛み締めて、眠り続けるチャンミンの
手をそっと握った

「ゆ、ユノ…」

一瞬、目覚めたのかと思ったが
朦朧とした意識の中で
何度も俺の名を呼んだ

ドンへは、そんなチャンミンの
様子を確かめると

「とにかく、俺は署に戻るよ
    スルギをちゃんと
    取り調べて、罰は受けさせるから」

そう言って、一度チャンミンの
頬に手をあてて、赤い痣をそっと
撫でると、病室を出て行った

俺はそれから
祈るような気持ちで、
チャンミンの意識が戻るのを
待った

どれ位時間がたったのか、
気がつくと、俺はチャンミンの
手を握ったまま、
ベッドに寄りかかるように
眠っていた

握っていた手が、ぎゅっと
握り返される感触がして
目が覚めた
顔を上げると
チャンミンが涙を流しながら
俺を見つめていた

「チャンミン!大丈夫か?」

俺は起き上がって
チャンミンの側に近づいた

「どこか、痛むところはないか?」

チャンミンは首を横に振った

「す、スルギはどこ?」

擦れた声で、囁くように
聞いた

「あいつは、ドンへが
    警察署に連れて行った
    今頃は、取り調べを受けてる
    はずだ」

「だ、駄目だよ
   スルギを警察にやっちゃ駄目!」

チャンミンは急にベッドから
起き上がり、立ち上がろうとしていた

俺は慌て、チャンミンを捕まえると
そのまま抱きしめた

「何を言ってる?
   あいつは、ジウォンさんと
   お前に暴力を振るったんだぞ
   警察に連れて行かれて当然だ」

「ち、違うの
   スルギが悪いんじゃない
   みんな、僕のせい…」

「チャンミン、何を言ってる?」

「スルギは、あの時言ったんだ
    僕に自分の家族になれって…」

チャンミン、何を言ってるんだ?