救急外来の今日の当番医は
俺の大学の同期のカンインだった
事情を話して、カンインと俺で
処置をした
チャンミンの辛い姿を
あまり人目にさらしたくなかった

幸い、殴られた時の打撲の跡と
抵抗した時に出来ただろう
擦過傷くらいですんだようだ

「無理な頼みを行って
   すまない」

「詳しい事情は今度聞くよ
   傷は大したことないが
   おそらく、精神的には
   かなり、ショックを受けてるだろう
   目覚めてからの、ケアが
   大事だぞ」

そう言って、カンインは
病室を出て行った
カンインと入れ替わるように
ドンへが入ってきた

「チャンミンの様子は?」

「大丈夫、打撲と軽い傷だけだった」

「よかったな、とりあえず 
   スルギは署に連行したよ
   チャンミンの傷の診断書が
   必要になるから、
   用意しといてくれ
   からなず、あいつ、刑務所に
   ぶち込んでやる」
    
普段は、どちらといえば、
穏やか過ぎるくらいのドンへが
声を荒げて怒っている

それくらい、チャンミンが
眠っている姿が
痛々しくて、直視できない

白い肌にくっきりと残る赤いあざ
唇の端は切れて
まだ血が滲んでいた

布団からはみ出した手首には
強く握られたのだろう
筋状の赤黒い痣が出来ていた

俺は悔しかった
もう少し、早く迎えに行っていれば
チャンミンをこんな目に
合わせずにすんだのに…