8.エイミーの胸が痛いというお話
トッテナムの街は、とてもせかせかしているけれど、皆が皆そういうわけではありませんでした。
後からやってきた”本当の先生”がやってきたとき、まだちっちゃなエイミーはドアの前でうずくまっていました。ロンさんから話を聞いた”本当の先生”は、エイミーに向かって
「どこか痛いところはある?」
とたずねました。”本当の先生”には、ちょうどエイミーと同じくらいの、女の子と男の子の双子の子供がいました。ですから、その口調は、まるでお母さんが子供にたずねるような、本当に心配したような声でした。それだからでしょうか。ロンさんには名前しか教えなかったエイミーが
「このあたりがいたいの。」
と、ちっちゃな胸を押さえて、言いました。
「病院に行く?」
と”本当の先生”がたずねると、
「病院に行っても直らないわ。でも」
と一息おいてエイミーは続けました。
「この教室の中に入れてもらったら、きっと直ると思うわ」
”本当の先生”は、にっこり笑って
「そういうことなら、さあ、どうぞ」
とドアを開けながら言いました。