7.ちっちゃなエイミーについて

次の日は、絵の教室のお仕事がありましたので、ロンさんは朝川べりを歩いた後、街中の絵の教室へ向かいました。いつも生徒さんや本当の先生(ロンさんは、助手でしたので、授業を行う他の先生のことをこう呼んでいたのです。)より30分ほど早く行って、机の上を拭いたり、授業で使うペンやら絵の具やら紙といった画材道具を用意するのがきまりでした。
その日も30分早く教室へつきました。すると、ドアの前になにかちいさいものがうずくまっているではないですか!
最初は子猫だろうか、と思ったロンさんでしたが、よくよくみるとどうやらそれは小さな女の子のようでした。ロンさんが近づいてもうずくまったままです。
「おい」
とロンさんは声をかけました。(普通、女性にはそんな風に声をかけたりしないものですが、小さな子供には気をつかう必要はない、というのがロンさんの持論なのでした。)
「だあれ?」
とうずくまった女の子は、顔もあげないで答えました。
「おまえこそ、だれだ?」
とロンさんも返しました。(「おまえ」ですって!)
「わたし?わたしは、エイミーよ」
そういうと、エイミーはようやく顔をあげて、ロンさんの顔を見上げました。その目は、うっすら青色がかっていて、お人形かなにかのようにまんまるでした。