思春期男子の子育てでは、
「離れること」が大切だと言われます。
干渉しすぎない。
管理しすぎない。
母親に依存させすぎない。
もちろん、
それは大事なことです。
でも実際には、
ここで戸惑う母がいます。
それは、
「どこまで離れればいいのかわからない」
という戸惑いです。
口を出しすぎれば、
自立を妨げてしまう気がする。
でも、離れすぎれば、
放置になってしまう気もする。
しかも思春期男子は、
距離について、
言葉で説明してくれません。
だから母だけが、
「これで合っているのだろうか」を、
手探りで調整し続けることになる。
今回は、
この“距離がわからなくなる苦しさ”について、
整理していきます。
第1章
「離れなければ」が、母を追い詰めていく
思春期男子の子育てでは、
多くの母が、
ある種の緊張を抱え始めます。
それは、
「ちゃんと離れなければ」という緊張です。
息子を、
母親依存にしてはいけない。
精神的に、
母へ過度に寄りかかる男性にしてはいけない。
自立を妨げてはいけない。
だから、
距離を間違えてはいけない。
ここで重要なのは、
母たちは別に、
支配したいわけではない、ということです。
むしろ逆です。
ちゃんと自立できるように育てたい。
母親で縛る関係にはしたくない。
だからこそ、
・口を出しすぎない
・先回りしすぎない
・本人の領域へ踏み込みすぎない
を意識する。
つまり母は、
「離れる努力」をしている。
でも実際には、
ここから別の難しさが始まります。
思春期男子は、
母から心理的に距離を取り始めます。
会話が減る。
反応が薄くなる。
こちらを避けるようにも見える。
すると母は、
「追いかけない方がいい」と判断する。
でもその一方で、
本当は気になっている。
学校は大丈夫なのか。
無理をしていないか。
何か抱え込んでいないか。
ただ、
ここで踏み込めば、
自立を妨げるかもしれない。
だから止まる。
聞きたいけど聞かない。
助けたいけど待つ。
声をかけたいけど控える。
母は、
そういう調整を、
ずっと繰り返している。
しかも思春期男子は、
その距離について、
細かく説明してくれません。
だから母だけが、
「今の距離は近すぎるのか」
それとも、
「もう少し関わった方がいいのか」を、
手探りで抱え続けることになる。
思春期男子の子育てで、
母が疲弊しやすいのは、
単純に反抗されるからではありません。
“距離を間違えてはいけない”
という緊張を、長い時間、
一人で抱え続けやすいからなのです。
今回の記事では、ここまで、
「離れなければ」という緊張を、
母がどれだけ抱え続けているのか、
整理してきました。
でも実際には、
思春期男子の母親を苦しめているものは、
単純な「子離れできなさ」ではありません。
むしろ逆です。
多くの母は、“離れよう”としている。
しかもかなり必死に。
そしてここから母たちは少しずつ、
「関わらない方がいいのかもしれない」という、
非常に苦しい領域へ入っていきます。
この先では、
・なぜ母は「邪魔したくない」で苦しくなるのか
・「見守る」と「自己消去」は何が違うのか
・なぜ更年期で距離調整が難しくなりやすいのか
・思春期男子が本当に求めている“距離感”とは何なのか
について、
さらに深く整理していきます。
ここから先は、
「距離を取ること」が、
なぜここまで母を孤独にするのか。
その構造そのものへ入っていきます。
https://note.com/hapihapi7/n/n7c2eec259454
