気分の浮き沈みが激しい…“ビタミンB6”不足のサインかも⁈




些細なことでイライラしたかと思えば、急に涙が出る。
自分でも感情の波に振り回されて苦しくなる─


40代に入ってから、そんな「気分の浮き沈み」に心当たりはありませんか?


プレ更年期と呼ばれるこの年代では、ホルモンバランスの変化が心の安定に影響を及ぼすことはよく知られています。
でも実は、栄養素の不足、特にビタミンB6の欠乏も、気分の波を大きく揺らす要因のひとつです。


ビタミンB6は、ホルモンの調整や脳内の神経伝達物質の合成に欠かせない存在。
この記事では、分子栄養学の視点からB6の役割と、不足がもたらす影響、日常での対策について詳しく解説していきます。




なぜ40代になると「気分の波」が大きくなるのか?



ホルモンの分泌は20代後半から徐々に変化を始め、40代に入ると“ゆらぎ世代”とも言われるように、周期や量が不安定になります。

この変化が自律神経や脳に影響を与え、以下のような症状として現れます。

🚨イライラしやすい
🚨涙もろくなる
🚨気分が沈みやすい
🚨理由もなく不安になる
🚨落ち着かずソワソワする
🚨自己嫌悪に陥る


これらは、女性ホルモン(特にエストロゲンとプロゲステロン)の乱高下と、それに付随する神経伝達物質のアンバランスによるものと考えられます。

この“心の揺れ”の背景に栄養不足があるとしたら、見直す価値があると思いませんか?




ビタミンB6とは?──脳とホルモンをつなぐ「橋渡し役」



ビタミンB6は、水溶性ビタミンで、食品中では「ピリドキシン」「ピリドキサール」などの形で存在します。


私たちの体内で次のような働きをしています:

タンパク質の代謝と再合成を助ける
✅神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン・GABAなど)の合成をサポート
✅女性ホルモンの代謝とバランス調整
✅炎症の抑制
✅ストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)の調整補助


中でも注目すべきは、脳の“気分安定ホルモン”であるセロトニンの合成にB6が不可欠であることです。

つまり、ビタミンB6が不足すれば、脳が落ち着きを保つ材料そのものが不足し、気分のアップダウンが起こりやすくなるのです。




ビタミンB6不足で現れる体と心のサイン



ビタミンB6が不足すると、次のような体調不良が起こることがあります:

🚨PMS(月経前症候群)の悪化
🚨気分の浮き沈み・感情過多
🚨イライラ・怒りっぽさ・不安感
🚨睡眠の質の低下
🚨手足のしびれや末梢神経障害
🚨口内炎・舌の炎症
🚨肌荒れ、脂漏性皮膚炎

特に排卵後〜月経前の期間に気分の波が激しくなる女性は、ビタミンB6不足が関与している可能性が高いと言われています。

また、B6は代謝が早いため、日々消耗されやすく、体に蓄積しにくいビタミンでもあります。




40代女性がビタミンB6を消耗しやすい理由



年齢を重ねるごとに、ビタミンB6の必要性は高まる一方で、以下のような状況によって消耗されやすくなります:


慢性的なストレス(副腎ホルモンの合成にB6が使われる)
✅加齢により胃酸分泌が減少 → 吸収率の低下
✅ピルやホルモン療法 → B6の代謝を阻害
✅糖質過多の食生活 → B6の消費が増える
✅タンパク質不足 → B6が“働く相手”を失う


加えて、腸内環境が悪化している場合は、B6の吸収も不安定になりがちです。
つまり、40代の女性は日常的に“ビタミンB6の赤字状態”に陥りやすい土壌にいると言えます。




ビタミンB6を多く含む食品と、効果的な摂取方法



ビタミンB6は多くの食品に含まれていますが、特に以下の食材に多く含まれます:

鶏むね肉、ささみ
✅鮭、サバ、イワシなどの青魚
✅レバー(鶏・豚)
✅バナナ
✅にんにく、ピーマン、ほうれん草
✅玄米、胚芽米


◎効率よく摂るコツ:
💡タンパク質とセットで摂る(B6はアミノ酸代謝と連動)
💡ビタミンB2やマグネシウムと一緒に摂ると働きが高まる
💡加熱で壊れやすいため、蒸し調理や短時間加熱がおすすめ
💡朝にバナナや卵、昼に鮭や鶏肉を取り入れるとバランス◎

食事で補いにくい場合は、B6を含むビタミンBコンプレックスのサプリメントを活用するのも一つの方法です。




分子栄養学的アプローチ:「気分の揺れは体内の対話ミス」



分子栄養学では、気分の揺れは心の問題ではなく、神経伝達物質とホルモンの連携エラーと捉えます。
その橋渡しをするのが、ビタミンB6のような代謝栄養素です。


神経伝達物質「セロトニン」は、トリプトファン→5-HTP→セロトニンというステップで合成されますが、
この変換にはB6が必要不可欠です。

さらに、セロトニンは夜になるとメラトニンに変化して睡眠を誘導するため、B6が足りないと「寝つきの悪さ」や「朝のどんより感」にもつながります。




今日からできる!ビタミンB6で気分を整える習慣



ビタミンB6の不足を防ぎ、気分の安定を目指すには、日々の小さな積み重ねが鍵になります:


✅朝にバナナ+ゆで卵のコンビを加える
✅昼食に鶏むね肉や鮭を選ぶ
✅白米よりも胚芽米や雑穀米に変える
✅PMS時期は意識的にB群を強化
✅イライラや不安を感じた日は、B6+マグネシウムを意識的に摂取
✅サプリはB6単体ではなく、ビタミンBコンプレックスでバランスよく




まとめ



気分の波に振り回されてしまうと、日常生活も人間関係もつらく感じるものです。
けれど、それはあなたの性格や年齢のせいではなく、ビタミンB6不足による“代謝エラー”かもしれません。


脳の神経伝達とホルモンのバランスを支える栄養素、ビタミンB6。
まずは今日の食事から、心と体に優しい“B6習慣”を始めてみてください。
あなたの気分が穏やかに整っていく変化を、ぜひ感じていただけたらと思います。