【ゆらぐ季節、ゆらぐ私】
第4話:
「雨が降ると頭が重い」…それ、脳疲労かも?
―分子栄養学で読み解く、40代女性の“頭が働かない日”の整え方―
「朝からぼんやりしている」
「考えがまとまらず、うっかりミスばかり…」
梅雨入り前後、そんな“脳の不調”を感じる女性は少なくありません。
特に40代に差しかかる頃から、「寝ても取れない頭の疲れ」や「霧がかったような思考のもやもや」を訴える声が増えてきます。
実はこの“頭が働かない”感覚の背後には、気圧や湿度の影響に加え、脳の血流不足・酸素不足・エネルギー不足といった生理的な要因が潜んでいます。
そしてそれは、女性ホルモンのゆらぎと栄養の乱れが重なりやすい40代女性だからこそ起こりやすい現象でもあるのです。
本記事では、分子栄養学の視点から「雨の日の脳疲労」のメカニズムを解き明かし、今日からできる“脳にやさしい”整え方をご紹介します。
「雨の日は脳が重くなる」そのメカニズム
気圧・湿度・酸素不足が引き起こす、頭のぼんやり
◉ 気圧の低下=脳への酸素供給がダウン
低気圧が近づくと大気の酸素濃度がわずかに下がります。
すると、脳に十分な酸素が届きにくくなり、思考の鈍さ・集中力低下・眠気といった“脳のシャットダウン症状”が現れるのです。
脳は、全身の酸素の約25%を消費する臓器。
そのため、酸素供給が滞ると、すぐにパフォーマンスが落ちてしまいます。
◉ 湿度が高いと、自律神経が疲弊する
湿度が高い日は、体温や水分の調整がうまくいかず、自律神経がフル回転。
すると、副交感神経への切り替えがスムーズにいかず、常に“緊張モード”のままになりがちです。
この状態が続くと、脳も休まらず、作業効率の低下や情緒不安定を招く要因になります。
40代からの「脳疲労」が起こりやすい理由
ホルモンの変化と栄養のアンバランスがカギ
◉ 女性ホルモンのゆらぎ=神経伝達の不調に
40代からは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が徐々に減少。
エストロゲンには神経伝達物質(セロトニン、ドーパミンなど)を安定化させる働きがあるため、減少により「気持ちが前に進まない」「やる気が出ない」といった感覚に陥りやすくなります。
◉ “脳の燃料”が足りていない可能性も
脳の主なエネルギー源はブドウ糖。
しかし、忙しさや糖質制限による欠食・偏食が続くと、ブドウ糖の供給が足りず、脳がガス欠状態になってしまいます。
さらに、ブドウ糖をエネルギーに変換するには、ビタミンB群(特にB1)やマグネシウム、ナイアシンなどの補酵素が必要。
これらが不足すると、摂った糖質もうまく使われず、“燃え残った疲労感”だけが蓄積してしまうのです。
今日からできる「脳ケア」セルフ習慣5選
五感と栄養で、頭の中に“余白”を作る暮らし方
① 朝の深呼吸+3分の光ウォーク
起床後すぐに、カーテンを開けて外の光を浴びながら深呼吸を3回+3分の軽い散歩を。
太陽光はセロトニンの分泌を促し、体内時計をリセット。
酸素と光が脳に届くことで、“朝のもや”が和らぎます。
② 脳に必要な「糖+ビタミンB1」を朝食で
白米やバナナ、全粒パンなどのゆるやかに吸収される糖質をベースに、豚肉、玄米、大豆などビタミンB1が豊富な食材を組み合わせて。
さらに、マグネシウム(海藻・アーモンド)、ナイアシン(かつお、きのこ類)もプラスできると、脳のエネルギー回路がスムーズに回ります。
③ “スマホ脳”を休ませる午前中断ち
情報の摂りすぎは、脳にとって“未処理ファイル”を増やすこと。
午前中だけでもスマホを見ない時間をつくり、音のない空間でひと息を。
この“思考の静寂”が、脳内に回復の余白を与えます。
④ 思考を「書き出して」リセット
脳疲労の多くは“考えすぎ”が原因。
頭の中をメモに書き出すことで、脳内のワーキングメモリが整理されます。
「思考の棚卸し」は、脳にとって最高のリフレッシュ法なのです。
⑤ “感覚で整える”五感のリセットタイム
お気に入りのアロマ、空を見上げる時間、無心で皿を洗う感触──
思考を使わず、感覚で過ごすひとときは、疲れた脳を内側からほぐしてくれます。
「思考が止まる」そのときが、サイン
がんばれない日も、自分の味方でいること
「今日は何も浮かばない」「やる気がどうしても出ない」
そんな日は、あなたの脳がSOSを出しているサインかもしれません。
それを“怠け”と誤解せず、「今は休息が必要なとき」と受けとめられるかどうかが、40代からのセルフケアのカギ。
たとえ予定を一つキャンセルしても、思考を手放してぼーっとしても大丈夫。
脳のリズムを整えることは、生活全体を整えることでもあるのです。
まとめ
雨の日の「頭が重い」「集中できない」は、気圧や湿度、栄養不足が引き起こす“脳疲労”のサイン。
特に40代女性は、ホルモンの変化や栄養のアンバランスが重なりやすい時期です。
朝の深呼吸、糖+ビタミンB群の朝食、感覚でのリセットなど、小さな工夫を積み重ねることで、ぼんやりした脳に再びクリアな感覚が戻ってきます。
「思考が止まった」と感じた日は、整えるチャンス。
自分のサインにやさしく耳を傾けてみてください。
次回予告
第5話:雨が明けるころ、私の“心の声”が聞こえた ― ゆらぎの季節の終わりに。
梅雨が終わりを迎える頃、心と体のリズムもピークの揺れを迎えます。
でもその先には、揺らぎを経たからこそ見えてくる「新しい自分」が待っているかもしれません。
次回は、心身の波をどう乗り越え、次の季節へ向かうか。
これまでのセルフケアを総まとめしながら、“自分らしさ”の輪郭を取り戻すヒントをお届けします。
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