【ゆらぐ季節、ゆらぐ私】

第3話

「なんだかイライラ…」それ、気圧と血糖値のダブルパンチかも?



─分子栄養学から読み解く、季節と感情の関係



「別に嫌なことがあったわけじゃないのに、どうしてこんなにイライラするんだろう」
「子どものちょっとした一言に過剰に反応してしまい、あとから自己嫌悪におちいる…」

そんな“感情のゆらぎ”が顔を出すのが、ちょうど今──5月末から梅雨入り前のこの時期です。


この不安定さは、決して「気の持ちよう」ではありません。
気圧の変化による自律神経の乱れと、血糖値の急激な上下。
ふたつの“見えない波”が、心と体を知らぬ間に追い詰めている可能性があります。


さらに40代以降の女性は、ホルモン変化や栄養吸収力の低下も影響し、こうした感情の乱れがより顕著になりやすい時期。

本記事では、分子栄養学の視点から「イライラの正体」を読み解き、日々を穏やかに乗り切るためのセルフケア実践法をお届けします。




気圧のゆらぎが「感情の波」を引き起こす理由



● 低気圧ストレスで自律神経が乱れる

天気が崩れる前日──妙にだるくなったり、頭が重くなったりしませんか?
これは、低気圧によって交感神経が過剰に働き、ストレス反応が高まるためです。

血管は拡張し、脳への血流や酸素供給が不安定に。これが情緒の揺れ(イライラ、不安、焦燥感)へと直結します。



● 40代女性の自律神経は“切り替えにくい”

女性ホルモンであるエストロゲンには、自律神経を穏やかに調整する働きがありますが、40代以降はこの分泌が急激に減少。
交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにいかなくなり、疲労感や不機嫌を引きずりやすくなります。




実は見落とされがち?「血糖値の乱高下」も感情を揺らす



甘いものが「情緒の乱れ」を生むメカニズム

低気圧で自律神経が乱れているとき、無性に甘いものを欲したくなる──
これは“体からの緊急信号”かもしれません。


糖質を摂ると血糖値が急上昇し、一時的に元気になりますが、同時にインスリンが大量に分泌されることで、血糖値は今度は急降下。

この乱高下(ジェットコースター血糖)が、脳と神経を疲弊させ、
結果的にイライラ・不安・集中力の低下を引き起こします。


🍬 【分子栄養学の補足】
血糖値の激しい変動は、「カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)」といったストレスホルモンを過剰に分泌させ、情緒を不安定にする原因になります。



「口さみしいから食べる」は“血糖リズム”をさらに乱す

特に、甘いカフェラテ+スイーツという組み合わせは最悪のパターン。
“ちょっとだけ”が重なって、1日の血糖リズムを大きく狂わせてしまうことも。




感情の揺れに効く、5つのセルフケア習慣



感情に飲まれそうな日こそ、栄養と行動で「整える力」を育てるチャンスです。
分子栄養学の知見をベースにした、シンプルな5つのセルフケアをご紹介します。



① 「低気圧が来る日」を事前に知る

気象アプリで気圧の急降下が予測される日は、“心の雨予報”と考えて。

→ 予定を詰め込まず、朝にたんぱく質をしっかり摂るなど、「予防的セルフケア日」に設定しておくことで、余裕を持って対応できます。



② 朝食は“血糖を急上昇させない”構成に

✔ おすすめ:卵、納豆、野菜、味噌汁、雑穀ご飯

これらはたんぱく質・食物繊維・ビタミンB群が豊富で、血糖値の乱高下を防ぎ、感情を穏やかに保つ助けになります。


🍳 【ポイント】
朝にしっかりたんぱく質を摂ると、「セロトニン(幸福ホルモン)」の材料であるトリプトファンが合成されやすくなります。



③ 甘いものは「3時のおやつ」で計画的に

どうしても食べたい日は、14〜16時の間に少量の良質な糖質(黒糖、ドライフルーツなど)を。
この時間帯は副腎のコルチゾール(抗ストレスホルモン)も安定しており、血糖の乱れが最小限に抑えられます。



④ 感情がたかぶったら「体で放電」する

スクワット10回
✔ 深呼吸×3分
✔ 外に出て日光に当たりながらウォーキング

交感神経に傾いたバランスを整えるには、軽い運動と呼吸による副交感神経の活性化が有効です。



⑤ 自分の「ゆらぎの波」を記録する

手帳やアプリで、「気圧・食事・気分・生理周期」を簡単に記録してみましょう。

→ 後から見返すと、「この時期はイライラしやすい」といった自分特有のパターンに気づくことができます。
その理解が、“不調の波に飲まれない自分”を育ててくれます。




「私のせい」じゃない日もある



誰かにきつく当たってしまった。
意味もなく不安になったり、涙が止まらなかったり。
そんな日があると、「私はダメな母親だ」「もう更年期なのかな」などと、自分を責めたくなることもあるでしょう。

でも、そういう日は「今日は体のコンディションが荒れているだけかもしれない」と、一度立ち止まってみてください。

感情は、体の声。
分子栄養学の視点で見れば、感情の揺らぎも“生理的な反応”のひとつにすぎません。
自分を責めるのではなく、ケアしてあげること

それが、40代女性にとっての本当の「メンタルケア」なのかもしれません。




🌿 まとめ|“見えない波”を見逃さない


5月末の「なんだかイライラ」は、気のせいでも性格のせいでもありません。
気圧の低下と血糖値の乱高下という、体内で起きている“波”に反応しているだけ。

特に40代の女性は、自律神経もホルモンバランスも揺らぎやすい時期。
だからこそ、日々の栄養・習慣・視点で、自分を「整える力」を育てていきましょう。

「今日は何が私の体に影響しているのかな?」
そう問いかけるだけで、心はほんの少し軽くなります。



次回予告



第4話:「雨が降ると頭が重い」…それ、脳疲労かも?

梅雨の時期になると増える「ぼんやり感」「頭がまわらない」という訴え。
それは脳の血流と酸素不足による“脳疲労”のサインかもしれません。

次回は、40代女性が感じやすい“頭の重さ”に注目し、集中力を取り戻すためのシンプルなケアをお届けします。


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