本日のご紹介は、こちらです。


『かがみの孤城』
辻村さん、4冊目です。


「孤」=「ひとりぼっちで助けのないこと」



さまざまな理由で
学校へ登校できなくなった
中学生の子供たち7人


同世代の他の子たちは
友達がいて
学校に行っているのに
自分はそうできない


みんなが普通にできていることが
自分だけ出来ない


だから
自分だけ
普通じゃない



ひとつの出来事に対する
捉え方が人それぞれ違くて
自分がされたことへの痛みを
理解してくれる人がいないことに
さらに痛みを感じ
ひとりで抱え込む


思春期は
そんな葛藤を
誰もが感じる年頃で
それがどんな時代であろうとも
同じように悩み苦しむものなのだと


自分の考え
自分の個性を自覚し始め
人とは違う
親とも違うことへの
違和感を痛みを伴いながら感じ
伝え方や受け入れ方
そして
距離感を学ぶ時期


この本は
中学生の息子に図書室から
借りてきてもらったものですが
是非中学生におススメしたい本だと
思いました

そしてその親御さんにも




思春期の生き辛さ

それはどうしても
学校中心の世界に大きく偏ってしまうことが招く弊害であり
そこだけに生き場を限定しなくて良いのだと
いう想いを
ヒシヒシと感じました



これまで読んだ辻村さんの
作品に比べると
最後の伏線回収は
優しいものでしたが
全体的に
中学生でも十分読み込めるよう
構成されたものなのだと思います



それでもやはり
最後のエピローグでは
細かく散りばめられた伏線が
丁寧に回収され
涙ながらに読み終えましたが、、



喜多嶋先生が
なぜあそこまで
こころ(主人公)のことに
真摯に向き合っていたのか?
最後の最後に
それまで読み込んできた全ての内容が
ギュッとまとめられる心地良さ
本当に毎回感動します


それでは、また。