本日は、こちらのご紹介です。



辻村さんの作品は、これで2作目ですが
物語のなかでは起こる事件の残虐さや、
悲惨さを
エグいくらいに色濃く描写されます。
それは読み進めるのを躊躇うほどのものですが、
それ以上に人の感情の機微がとても繊細に、
鮮明に描かれ、「この先は?」という気持ちに押され、どんどん物語に取り込まれていきます。


今回、わたしのなかでは特に
大切な人を失う時の
その時が確実に近づいているのに
それでも諦めの悪い
自分の甘さや生温い気持ちが、
経験してこそ共感できる感情が、
あまりにリアルで
父を亡くした時の自分のそれと重なり
感情移入せずにはいられませんでした。



ぼくのメジャースプーンでは
ある事件により、言葉を失う少女
そして少女を助けたいと願う少年が
自身の特殊な言葉の力により、事件を起こした青年を人殺しへと追い込む


凍りのクジラでは
おじさんの暗示の言葉により、自分の意思も言葉も封印する少年
そして女子高生の言葉によって、それは解かれていく


言葉を失うということと
失った言葉を
言葉の力によって取り戻そうとすること


普段何気なく使う言葉は
絶望も希望も
そのどちらも兼ね備えていること


「言葉」について
その使い方について
考えさせられる作品でもありました




***本文抜粋*************

あんまり、人間の脈絡のなさを舐めない方がいい

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「感情」と「言葉」と「行動」
平行して同時進行する
これらの掛け合わせが
物語の半ばを過ぎると
一気に加速し、収束される

辻村さん
ますます読んでみたくなりました



読書の秋だからこそ
じっくり読みふけるのに
ピッタリな一冊ではないかと思います


わたしはこの秋
辻村ワールドに
どっぷり浸かるつもりです