本日ご紹介するのは、こちら。




少し新しい試みを、、、

テーマは『読みくらべ』

今回はまずこちらの2冊です。


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「読書する人だけが たどりつける場所〜齋藤孝」



「読書が人生の深みをつくる」という前提に基づいて、
思考力・知識・人格・人生の観点から
それぞれを深める本の読み方について、
名著の一節の解説を通して分かりやすく書かれています。
また項目別に「〇〇を高める名著」という形で、読みやすいもの、複雑で難解なものが数冊ずつバランス良く、要約とともに紹介されています。




※本文抜粋※


驚くべきことに驚けるのは、実は教養があるからです。知識豊富で教養豊かな人は、もうあまり驚くことがないと思うかもしれませんが、逆なのですね。知れば知るほど、心の底から驚くことができるのです。
知識がないと、何がすごいのかわからない。ぴんとこない、ということになります。


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人が生きる意味を問いながら、その深みを掘っていくのが人生の醍醐味です。生きていくうえで経済は重要ではありますが、当然ながらそれだけではありません。
(略)
人生の意味によって生きるのです。意味を捉えようとする力を読書によって育むと、いろいろなものの深さがわかるようになってきます。


※※※




「本を読む人だけがたどり着ける場所〜藤原和博」


20世紀型の成長社会から、21世紀型の成熟社会へ。
成熟社会において、「それぞれ一人一人」の幸福をつかむための軸となる教養は、自分で獲得しなければならない。
という時代背景をもとに、自分で世界観を構築し、幸福論を築くために、読書は欠かせないものであると説明されています。
本を読むことで身につく力を具体的に挙げられているとともに、ご自身が読書をされるようになってからの実体験を、実際に読まれた本の紹介も含め書かれています。
また巻末(と言っても50ページほどをさかれていますが)には、ビジネスパーソンに読んでほしい本・学校では教わらない現代史を学ぶ本・小中学生から高校生の子を持つ親に読んでほしい本・子どもと一緒に読みたい本(絵本)が計50冊紹介されています。


個人的には、藤原さんの考える「引き寄せる力」があまりに論理的に説明されていて、必然としか言いようがないほどの考察が、とても新鮮で印象的でした。




※本文抜粋※


あらためて思うのは、読書を通じて知識のインプットを蓄積していかないと、自分の意見というものがでてこないという事実だ。


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人生の山は1つではない。たった1つの大きな山を人生の後半に向けて下っていくイメージではなく、いくつもの連山を重ねて、登ったり下ったりしながら最後まで山づくりを繰り返すべきだ。
だが、人生の後半に山並みを重ねようと思ったら、前半や中盤から、仕事で登っている主峰とは違った裾野をつくっておく必要がある。


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読む時期や自分の置かれた環境によって、本の受けとめ方は変わる。私という人間の意識はつねに変化しているし、時代背景も一点にとどまることはないからだ。はじめて読んときはよくわからない本が、時を経て理解できることもある。


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子どもにとって最高の教材は、いつも、大人学ぶ姿なのである。


※※※



ふたりの著者が読書について
口を揃えて言うのが
「読書は体験である」ということ


齋藤さんは更に、インターネットで情報を得る際の人の姿勢を「消費している」としています。


物語を疑似体験できることはもちろん、
藤原さんは、人生の限られた時間の中で自分が実際に体験できることはごく僅かであることから、
本を読むことで、著書の体験を本を通して体験することができる、とても効率の良いツールであるとも表現しています。


さまざまな経験を重ねるという意味で、「乱読」つまり多種多様な本を読むことを、おふたりとも薦めています。


齋藤さんは、「本の読み方」という視点から、
その方法を分かりやすく具体的に指南することを通して、読書が人生に深みを与えてくれることを伝え、
藤原さんは、「なぜ本を読むのか?」その意味を
私たちが生きている21世紀という時代背景をもとに論理的に説明することで、読書が、自分の人生の構図を描くためのツールであることを伝えています。


「人生にどのような意味を持たせるか?」

「人生をどのように創造するか?」



どちらも人生は受動的ではなく、
能動的なものである必要があり、
そのために「読書」という能動的な行為を積み重ねて培っていくことを訴えかけています。


人生の手綱を
誰かや何かに明け渡さない

自分で自分を幸せにする

ということでしょうか。


藤原さんは、まず300冊。
と、具体的な数字も目標として掲げています。
1年100冊、3年で300冊だと。
なぜこの数字か?ということも、とてもロジカルに説明されていますが、割愛させていただいて、、、
300冊を超えると、自ずと自分の意見が確立されてくると。
そこからがいよいよスタートだ、、と。


1週間に約2冊。
お二人の推薦図書を参考に、読み進めていこうと思います。






一冊の本には人を動かす力があり、
人を変える力もある。



本って、本当に素晴らしい。


それでは、また。