物騒な世の中だから
最近、ニュースを見ていると「なんだか世の中が怖いな」と感じることが増えた。
事件、炎上、SNSでの言い争い。誰かの悪意や怒りがスマホ一つで簡単に流れ込んでくる時代だと思う
私は双極性障害を抱えている。特に鬱期から少しずつ回復してくる「立ち上がり期間」は、心がまだ不安定だ。体力も気力も戻り切っていないのに、外から入ってくる刺激だけは強い。
そんな時期の私は、人と比べやすい。
SNSを見れば、結婚、出産、転職、旅行、キラキラした暮らし。
「みんな頑張っているのに、自分は何をしているんだろう」と落ち込みやすくなる。
でも最近、少し考え方を変えた。
それが
「よそはよそ、うちはうち」
という考え方だ。
子供の頃、親や祖父母によく言われた言葉だった。
昔は「冷たい言い方だな」と思っていたけれど、大人になってからこの言葉の意味が少し分かってきた。
他人の人生と、自分の人生は違う。
育った環境も、体力も、病気も、得意不得意も違う。
同じペースで生きられなくて当たり前なのだ。
だから最近の私は、鬱期から回復する時期になると、あえて「こもる休日」を作る。
漫画を大人買いして、家にこもって読む。
スマホを見る時間を減らし、他人の生活から距離を取る。
以前は「休日を無駄にしている気がする」と罪悪感があった。
資格勉強をした方がいい。
運動した方がいい。
もっと生産的なことをした方がいい。
そんな声が頭の中でずっとしていた。
でも今は少し違う。
漫画を読むことは、私にとって現実逃避だけではない。
「他人の人生」から離れるための時間でもある。
物語の世界に没頭している間は、SNSの比較地獄から降りられる。
誰かの成功も失敗も見なくていい。
自分の心を守るために、外界との距離を調整できる。
特に鬱期の後は、心の境界線が薄くなっている感覚がある。
人の感情に引っ張られやすい。
ニュースを見れば不安になるし、怒っている人を見るとこちらまで疲れる。
だからこそ、「ここから先は入れない」という線引きが必要なのだと思う。
家で漫画を読みながら、温かい飲み物を飲んで、静かに過ごす。
その時間は、ただサボっているわけではなく、自分の心の防衛でもある。
昔の私は、「ちゃんとしなきゃ」が強すぎた。
周囲に合わせようとして無理をして、結果として躁状態になったり、その反動で鬱になったりを繰り返した。
でも最近は、「全部に参加しなくていい」と思えるようになってきた。
SNSの議論に入らなくてもいい。
流行を追わなくてもいい。
誰かと同じ速度で成長しなくてもいい。
物騒な世の中だからこそ、自分の心を守るための距離感が必要だと思う。
家にこもって漫画を読む休日は、一見すると怠けているように見えるかもしれない。
でも私にとっては、「これ以上心を削らないための時間」だ。
よそはよそ。
うちはうち。
他人の人生に飲み込まれず、自分の生活を守る。
それはわがままではなく、長く生きていくための工夫なのだと思う。
双極性障害と付き合いながら生きる中で、最近ようやく
「休むこと」や「距離を置くこと」は悪ではないと分かってきた。
むしろ、境界線を引ける人の方が、自分を壊しにくいのかもしれない。
だから今日も私は、漫画を積み上げて読む。
少しだけ世の中から距離を取りながら、自分のペースを取り戻していく。




