日曜日には、父の所へお弁当やおやつを持って行く。
父は私を娘とは思えない認識してないが、美味しいものを持って来る人としては認識している。
娘が一歩先に実家に着いた時、父がいそいそと出てきたらしい。でも、顔を見て部屋に引っ込んだ。私ではないのが解ったらしい。
その後私が着いて声をかけると嬉しそうに出てきた。
前にシェフ美ちゃんが、身体の調子が悪い時に薄味薄味と出されていると食欲もわかない。味のしっかりした好きなものだと食べられるんだから、そうしてあげなさいと言っていた。
心不全の積極的な治療もしないと、親戚全部で決めたのだから好きな物を食べて幸せになってもらおう。
同じ物を見つけたので買ってきたのが、コレ。
父は魚も好き。焼き魚を食べさせると、猫も食べないくらい綺麗に美しく食べる。今まで、あれくらい美しく食べる人を見た事がない。標本の様に身の全く無い白い骨だけが残る。
このお弁当は、3種の味噌漬けの魚が楽しめる。ご飯は生姜ご飯。しっかりしたお味で、気に入ってもらえると思っていた。が…。
父は食べようと箸をのばすが、食べ物に触れる前に引っ込めてしまう。何回も不思議そうな顔をして、それを繰り返す。食べたいのに食べられないようで、本人も首を傾げている。
ふと思いついて母にお皿を出してもらい、ご飯の上に乗っていたおかずを全員皿に移した。
すると、パクパク食べだした。
認知の頭の中は良く解らないけど、何かを認識できなかったんだと思う。
今回、特に生姜ご飯を気に入って綺麗に全部たいらげた。
父の頭の中は不思議で一杯だ。
8月7日、母の誕生日1日前。
この前ボタン海老が入っていないお寿司だったので、リベンジで生のボタン海老入り。
電気を消して、母がロウソクを吹き消すと父が声をあげて笑った。
手をたたいて、私に向かって指でグーのサインをした。
めでたし、めでたし。
めでたし、めでたし。


