黄金の福寿草と、桜咲く門出
ふと庭に目を向けると、落ち葉を押し上げるようにして福寿草が黄金色の花を覗かせていた。凍てつく土の下で静かに春を待っていたその姿は、一歩ずつ、しかし着実に歩んできた孫の六年間と重なって見える。
思い返せば、この庭の桜は孫の小学校入学を記念して植えたものだった。当時はまだ細かった苗木も、今では力強く枝を広げ、膨らんだ蕾(つぼみ)に春のエネルギーを蓄えている。ランドセルが歩いているようだったあの日から、心身ともに逞しく成長した孫。その歩みを見守るように、今年もまた桜の季節が巡ってこようとしている。
小学校卒業という一つの節目。それは、自らの根を深く張り、新しい世界へと枝を伸ばすための準備期間の終わりでもある。まもなく開花する桜の花びらが、中学生という新たな舞台へ進む孫の肩を優しく叩いてくれるに違いない。福寿草の輝きと、間もなく咲き誇る桜に、健やかな未来への願いを託したい。