静かな土曜の風が窓を撫でて
一週間のざわめきをほどくとき
私は自分の時間を拾い集める

束縛は影のように遠ざかり
自由の香りが部屋に満ちていく
心はまだ眠る鼓動を呼び起こし
ゆっくりと深呼吸をする

愛車は静かに待っている
エンジンの蒸気が朝露のように白く立ち上り
振動が胸の奥へと響く
それは私の心を導く羅針盤

切り離された空気の中で
私は自分を取り戻す旅人になる
週の疲れを洗い流す水のように
思考は滑らかに流れ出し

そして、あの人のもとへと
夜風が道を描き、星が合図を送る
車の振動が道を照らし
私の心は再会の鼓動で満ちてゆく

土曜日は私の翼、自由の静かな祈り
束縛をほどく瞬間に生まれる
静かな幸福の時間
私とあの人とで結ばれる約束の音

あの人のもとへ
今夜も、また。