アジャスタブルスタビロッド | “GIOMIC”ジオミック/パフォーマンスサロン
$“MINI Garden”ミニガーデン パフォーマンスサロン
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先日、R56シリーズの後期モデルの発表がありましたが、R56シリーズもデビューから早くも3年の月日が経ち普段より様々なカスタムが施されたMINIを目にするようになってきました。当初は選択の余地があまりない程にしかラインナップされていなかったカスタムパーツ類も、現在では国内外の各社様より続々と素晴らしい製品が発売されており、オーナー様にとりましても選択肢が増えて楽しい状況になって来たのではないでしょうか。もちろん皆様に良い製品をお届けする立場にある私どもも想いは同じで、様々な理論や理屈によって開発された製品を積極的に試しながら、各オーナー様により異なるニーズに対して最適なカスタムのご提案出来るように勉強の毎日です。

さて、弊社にて展開している機能パーツブランド“GIOMIC”も立ち上げより1年が経ちました。テストを繰り返し行いながらの製品開発は莫大な時間と予算がかかりますが、全ては皆様の満足の為に…と信じて前だけを向いて進めて来た結果、この一年で多くの方々から歓びの声やご相談のお話を頂戴することが出来るようになってまいりました。製品についての評価やマッチング相談からセッティング方法に至るまで、日々色々な話題のお話をさせて頂き充実した時間を過ごしております。

そんな中で特に最近問い合わせやご相談が増えてきている“アジャスタブルスタビロッド”について、新たなバージョンアップ版が完成したのでご案内を致します。

当初のものは一部の車両、具体的には社外製のダンパー及びスタビライザーとのマッチングにより、ドライブシャフトとの干渉が発生する場合があると報告されていました。この症状を弊社にて詳しく確認したところ、常に干渉しているといった類いのモノではなく、走行中、特に急激なアクセルワークやハードブレーキの際に起きる“ストラット”や“コントロールアーム”に対する力により“ドライブシャフト”と“スタビリンク”の位置関係が大幅にズレてた時に干渉が発生するということが解りました。

無論、製品の開発にあたってはマッチング確認など細心の注意を払って仕様を決定しておりますが、数多くのパーツがある中でクルマ毎の個体差もあり、全ての状態をテストし把握するという事は現実的には問題不可能な状態です。しかしながら、“ターボキャタライザー”を装着した際に発生する“エンジンチェックランプの問題”の時もそうでしたが、例え少ない症例であっても状況をしっかりと確認し、出来る限りの対応策を考えた形とした“バージョンアップ”を行い進化させ、なるべく多くの方々に安心して選んで頂けるような製品に育てていこうと考えています。これは私自身が重要視するスタンスでもあり、今までの“チューニングパーツ”という特性の製品概念ではコストの問題等もあり、あまり実現出来なかった考え方であると自負しております。

1枚目の写真にあるのが、そのバージョンアップを行ったスタビロッドのボールジョイント部になります。写真の上側のボールジョイントに付属する“カラー”が薄くなっている事に気づくと思いますが、ストラット側とスタビエンド側とでカラー厚をかえてクリアランスの確保を行う設計としました。これによりダンパー及びスタビライザーとのマッチングや車両ごとの個体差の影響も少なくなり、さらに安心して使用して頂ける製品へと仕様変更を行いました。また、この写真にはありませんが使用状況により一部に発生していた“ボールジョイントブーツ”の噛み込むによる“ブーツやぶれ”の報告も、試行錯誤を行い、ブーツ形状変更によるテストを行っている最中で良い結果となりそうです。こちらについては、もう少しで完成となりますので、今しばらくお待ち頂けますと幸いです。

現在、弊社製品をご利用中の方でこれらの症状が出ているという方は、一度弊社にご連絡を頂くか、お求めのプロショップ様経由でご連絡を頂ければ、有償ではございますが“バージョンアップキット”としてお分けする事を予定しておりますのでお気軽にご相談下さい。また、これらとは別に製品取付けによる異音発生の症状も稀にお問い合わせを頂きますが、殆どの場合がターンバックル調整機能に設けられたロック用のナットかボールジョイントに取付けられたジョイント(ボールジョイント部に入る黒いボルト)のゆるみが原因となっています。万一、異音等の症状が出るようでしたら増締めを行って頂けますよう宜しくお願い致します。

最後にセッティングについてのアドバイスです。こちらもスタビロッドの長さをどのように設定したら良いかのとのお問い合わせを頂きますが、スタビライザー機能の理屈をご理解頂ければ難しいものではありません。

そもそもスタビライザーは、左右のストロークの差を“バーの捻れ”を利用して減らすことを目的として設定されています。純粋な直線上の“バー”でも問題はありませんが車両搭載上困難である為、収まりの良いように車種毎に曲がった状態にせざるを得ません。しかし、その効果を発揮する為には“捻れ”の起きる“回転中心点”と捻れを伝える“スタビエンド”との位置関係はどんなに曲がりくねっていたとしても1G状態で同軸にいることが理想とされており、ノーマル状態では必ずといって良い程そのような設計がなされています。

このことからも解るようにスタビロッドの理想の長さとは、1G状態において“回転中心点”と“スタビエンド”が同軸になる長さということになります。ちなみに、回転中心点とはどこかということでお気づきの方も多数おられると思いますが、ロッドが捻れ回転する中心点。すなわちスタビライザー本体が固定されている“マウント”というのが正解になります。(2枚目の写真が実例になりますが、設定車高に合わせて可能な限り補正を行っています。)

ローダウンレベルによって変化する“回転中心点”と“スタビエンド”の位置補正が簡単に出来るということこそこのパーツの長所であり、位置関係のズレにより機能が発揮出来ない状態のスタビライザー効果を蘇らせるということが期待できます。極端な補正は、ロアコントロールアーム上部への干渉を招くため注意が必要とはなりますが、極力セッティングしてあげるという事も基本設計の素晴らしいMINIならではの楽しみといえるのではないでしょうか。是非お試し下さい!!



*GIOMIC製 アジャスタブルスタビロッド用バージョンアップキット 予価¥2,625(Taxin)7月下旬リリース予定
*キット内容 補習用ボールブーツ4個/AJカラー4個

※ドライブシャフトとの干渉は一部の車両のみで発生している症状であり、現状で症状が出ていない車両については製品本体の性能に違いはありませんのでバージョンアップの必要はありません。今回のバージョンアップで全ての場合において対策されるものではありません。取替えにかかる工賃等については各ショップ様により異なります。また、弊社での工賃等の負担は致しかねますのでご了承下さい。

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