私の基本は『母のようになりたくない』です。


母は外向的でよくしゃべり絶えず周りの目を気にしていました。
そして思い通りにいかず怒ると相手が傷つくまで暴言を吐いていました。


そのせいで言葉の暴力で負った心の傷はいつまでも残ることはわかるので、私は怒りの感情が芽生えると黙ります。
これは物心ついたころからなので、逆を言うと怒って怒鳴った経験がないのです。
一切言葉は出しません。

小さい時は怒られても理由を聞いてもらいたいとか無実を訴えたいとかで反論してましたが、ことごとく言い訳だの口答えだのウソだの言われてるうちに、何を言っても聞いてもらえない、母が思えばそれは覆らないと理解したからだと思います。

殻に閉じ籠ることで防御していたんだと。

そのころからあまり泣くこともなかったように思います。
泣いても許されなかったから。
泣くのは悔しい時くらいです。


だいぶ大きくなって(30代後半くらい)一度謝られたことがありました。
そのころは母は大病を煩い、気が弱くなってたからかもしれませんが、たしか『~の時はりゅうのすけが悪くなかったのに怒ってごめん』と。


言われた言葉をはっきり覚えていません。
無実で怒られることなんかありすぎてどのことを言ってるかわからなかったし、今さらそんなこと言われてもって思っていました。

そして私にしゃべって欲しいと。母と娘として会話がしたいと。

でも何十年としゃべってなかったし、話をしても途中で遮られ結局一方的に母が話のを聞いてるだけに。そして気づかないうちに緘黙(かんもく)という心の病気になってたようで、声を出すことができなくなっていました。

それは母の亡くなって横たわった姿を目の前にしても「お母さん」の一言が出ないくらい。



そのくせ、大病になったのは私のせいだと言われてたこともありました。


私が母を病気にして、そして母を殺すのだとずっと思って生きてきました。
それはずっと背負っていくと思います。



でも、母みたいになりたくないと相手を言葉で傷つけたくないと黙っていても、何を考えてるかわからないと嫌われることになるのもわかっている。

どうしたらいいのかわからないのです。

もう言えない自分がいて、今から言えるようになれるとも思えなく、言える人からしたらどうして言えないのか理解できないみたいです。




もう疲れました。