会津藩の幼児教育には「什(じゅう)の掟」というものがありました。
内容は

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一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ

二、年長者には御辞儀をしなければなりませぬ

三、虚言をいふ事はなりませぬ

四、卑怯な振舞をしてはなりませぬ

五、弱い者をいぢめてはなりませぬ

六、戸外で物を食べてはなりませぬ

七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ

ならぬことはならぬものです
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六歳から九歳まで教えられたこの「掟」。最後の一文が重要だと僕は
思います。

「ならぬことは、ならぬものです」

つまり、ダメなモノはダメ。
子供というのは「なんで?」「どうして?」と聞くのが常ですが
理由の説明が幼すぎて難しい事も多々。説明をしても理解出来ないのです。

大きくなったら意味がわかるのだから僕はそれで良いと思います。

今の時代とあわない教えもあります。特に7番目は難しい。これには親族も
含まれるそうです。屋外では婦人と話をしてはいけない・・・
これは現代においてはむしろ失礼にあたってしまうので難しいです。

会津藩の子供達は「什(じゅう)」と呼ばれるグループに所属し、毎日この教えを復唱して
そして遊んだそうです。

会津版「子供会」。9歳まではこの教えを守りながら良く遊ぶのが会津藩の教育だったそうです。

現代の9歳は小学校3年生。

現代の小学生に話をしたら、毎日遊べて羨ましいというかもしれません。
だけどこの「什(じゅう)」というグループで異年齢で遊ぶことで縦社会を自然と学ぶように
なっていたそうです。

先ず人間関係を学ぶ。その後は「日新館」というところで勉強に励みます。
勉強の内容は論語、孟子、大学、中庸、孝経、詩経、小学などの中国の古典。
それらの教科書もまた人格形成を求めたもの。

近代の勉強は大切だけど、幼少期は勉強に追われるのではなくていろいろなモノを経験して
遊んで、そして人としてを学んでほしいものです。

幼少期に焦ることは無いと思うんだけどね。