昔の五千円札の新渡戸稲造さん
新渡戸さんの著書の「武士道」中には
「礼」関してこんな記述があります。

「礼は寛容(かんよう)にして慈悲(じひ)あり、
礼は妬(ねた)まず、
礼は誇らず、
驕(おご)らず、
非礼を行わず、
己の利を求めず、
憤(いきどお)らず、
人の悪を思わず」

難しい漢字が並んでいますが・・・

寛容・・・宗教や民族にはじまり自分とは異なる意見、
      考えを持っている人にも一定の理解をすること

慈悲・・・誰に対しても平等な気持ちをもつこと

妬む・・・他人が自分よりすぐれている状態をうらやましく思って憎む

誇らず・・・偉そうにしない

驕らず・・・思い上がった行動をしない

非礼・・・礼儀に背くこと

己の利・・・自分だけの利益など

憤らず・・・激しく怒らない

人の悪を思わず・・・人を中傷しない。悪口を言わない

という意味。

簡単にすると

礼とはみんな平等に接し
人を憎んだり 人を見下したり
自分の損得だけを考えて行動するのではなく
常に平常心を大切にし、人を誹謗中傷しないこと

という意味だと僕は思っています。
そんな出来た人間は、なかなかいないと思いますが
お互いに礼儀を大切にすることで
良い人間関係が築けるということだとも思います。

武士道ってどんな人でも寛容って考えると
すごく甘い感じがしますが

非礼を行う者は厳しく対応されたと思います。


ちなみに新渡戸稲造さんはキリシタン

だからこの文面は何となくキリスト教っぽい。

というか良く結婚式で言われる


「愛は寛容にして慈悲あり。
愛は妬まず、
愛は誇らず、
騎らず、
非礼を行わず、
己れの利を求めず、
憤らず、人の悪を想わず。」

「新約聖書-コリント前書十三章四~五節」

たぶん新渡戸さん流の引用ですね。

これぞまさに寛容。武士道の考えの中にキリスト教は・・・


「親しき仲にも礼儀あり」

礼が愛に繋がる・・・。

深いですね。武士道。