私には子供はいないから、当然子育てもしていないわけです。いや、この世に子育てほど大変で尊い事ってあるかなあと日々思うわけですが、まあ私は子育ての機会には恵まれませんでした。
近所に住んでいる甥を可愛がってはいますが、私の子ではない。ゆえに、その子育て方針に口は出すまいと心がけています。連れ出して一緒に遊びに行っても、無事に親元に届けるのが私の使命と考えています。
そんな甥が私と2人で本格的に旅行に行ったのは11歳になってからでした。それがここにも書いた北海道の旅4日間。あの時は冬のSL号に乗り、流氷を見、旭山動物園に行き、特急ライラックに乗り、札幌雪祭りを見るという壮大な旅でした。これが甥との最初で最後の旅になるなと思ったからです。
ところが甥にとってこの旅は意外に楽しかったらしく、その年の夏が終わる頃、再び2人で旅に出ました。これがJR特急グリーン車(一部を除く)四国一周3日間の旅。観光列車やトロッコ列車にも乗ってぐるりと四国を一周。土地の美味しいものを食べ、道後温泉にもつかりとこれまた壮大な旅。
調子に乗った私は、3度目の旅にも甥をいざないました。それが今年のお正月に行ったサンライズ出雲で行く出雲大社初詣3日間の旅です。いや甥がこのサンライズに乗りたがっていてね。私は八方手を尽くしてこのチケットをゲットしたのです。寝台個室に入ったとたん甥は、僕の人生って楽しい! みにちゃんありがとう!と、私にとって一生忘れられない言葉を発しました。この旅は前述したとおり、地震にあってしまったので、特急やくもは断念し、飛行機で帰ってきたわけですが。
この旅のあと、今度は電車で稚内まで行こうよ!との甥の言葉があったので、私はまたまた色々調べ始めたわけですよ。函館までは新幹線だな。それから札幌と稚内に宿泊して帰りは飛行機か? 宿はどこに取ろうかな? 何を食べようかな? これまた壮大な旅になりそうだな…。なんて。
で、飛行機のタイムセールがあったので、すぐに予約だけ取り、甥に連絡したのです。
そしたら…。
みにちゃん、ホントに行きたい? ぼくは夏休みはちょっと忙しくなりそうだから考えるわ…って。
「最後とは知らぬ最後が過ぎてゆく。その連続と思う子育て」
って俵万智さんの短歌が頭をよぎりました。ああ、あの出雲への旅が最後だったんだな。また次があると思ったのにな。やくもに乗れなかったのはホント残念だったなと観念しました。いや子育てはしてないんですけどね。
この夏、宗谷岬に独りで行ってこようかな?


