育児に疲れて
テレビを見続ける息子と夫を横目に
黙って家を出て歩く
近所の食堂にふらりと入り
うどんをすすり
帰る気分にはならないが
帰らないわけにもいかず
仕方なくふらふらと家路を戻る
不意に爽やかな芳香が
つんと鼻をつき
花の香りだとはわかるものの
キンモクセイかと思ったが
キンモクセイにはまだ時季早く
キンモクセイと似ているけれど少し違う
どこに咲いている花から流れてくるのか
道沿いの植え込みを眺めながら歩く
マンションの前栽に植えられた低木に咲く小さな白い花からだと気づく
この香りはこの花の香りなのか
よく見かける植木だ
この花に
こんな香りがあると
なぜこれまで気づかなかったのだろう
名を調べると
アベリア
というらしい