昨晩のこと、わたしの家にゴキブリが現れた。
中堅どころの体格をしたゴキブリだった。
ゴキブリはエサになるようなものが散乱してないと発生しないものだというのが頭にあったので、発見したときは意外だった。
実に久しぶりに見たゴキブリは水まわりにいた。
どうやら水を飲みにやってきたようだ。
どこから入り込んで来たのかは知る由もない。
そう言えば夜中に「ゴクゴク」と誰かが水を飲むような音がしてたっけ、いやしてないよ
などと、淡白なノリ突っ込みをしたりしてそのときまではなんということはなかったのです。。。
水を飲むという、実に生き物くさい行為をしているこのゴキブリちゃんをもっと近くで見てみようと、
そぉ~っと少しずつ間合いを詰めていき、手を伸ばせば届きそうな距離まで近づいてみました。
するとゴキブリはとっくの昔に気づいてたような感じで、
別に逃げませんよ、みたいな念を放ってくる(ような気がする)
どうせ殺すんでしょ、覚悟はできてるし最期に水ぐらい飲ませてよ
と言わんばかりに逃げようともしない。
そう感じた瞬間、なにもかも見透かされてるような気がして
わたしはヘビに睨まれたカエル状態
こいつにはどうやってもかなわない、まるで火の鳥のような存在に思えた。
妙な間合いはなおも続く・・
ゴキブリはこれまで経験してきた大変な出来事に比べればわたしのこれまでの人生なんて大したことないよと言ってるかのごとく
生命体としてのとんでもない大先輩の片鱗を感じさせた。
もうその時には退治するとかそういう気すら起こらないし、どうぞ好きなだけ水を飲んでいってくださいとすら思うようになっていた。
わたしはこの夏、鉄粉が燃える夏祭りを楽しむよりもはるかに衝撃的な体験をした。