暗い話も書きましたが、本人はいたって健康体。心機一転で明るい話題でも。
こんにちはマタさんです。ウイニングポストが面白すぎる。
夏だ。バーベキューの季節だ。何を隠そうこのぼくは数えきれないほどのバーベキューに参加してきた手練れである。火の管理なら任せておけ。
などと言えばパリピ感もあるが、それらのほとんどが強いられて参加しただけのもの。誰が望んで炎天下に肌を晒すものか。
幼少期はアウトドア好きの父に嫌々連れられてあちこちに赴き、小学生になるとボーイスカウトに入れられたので中学を卒業するまで毎年複数回はキャンプをした。おかげで経験だけはあるため、高校・大学では部活やバイトのイベントの時には重宝された。火起こしから火力の調整、調理に後始末まで。それらを勝手にやってくれるものだから周りの人間は助かったはずだ。さながら自動バーベキュー機である。
かと言って前述したとおり好きでやってるわけじゃない。ただでさえ外出が億劫なのに、さらに面倒を重ねて何が楽しいというのだ。暑いし熱いし疲れるし、良いことなど一つもない。
だったら黙って見てればいいものをと自分でも思うのだが、如何せん知識と経験があるだけに手際が悪いとソワソワしてしまう。後輩が着火剤に火を点け、その上に直接木炭を乗せた時にはさすがにひっくり返った。おかげで大学4年生という通常ならお客様席に座る立場になっても、タオルを頭に巻いて火起こしをしていた始末である。
そんなわけでバーベキュー自体にはあまり良い思い出は無いはずなのだが、この頃不思議と肉が焼きたくてしょうがない。思えば大学を卒業してからはバーベキューなどほとんどやっていないため、あの感覚が懐かしくなってきたのだろうか。DV彼氏から離れられない女性の心境を知ったような気がした。
そんな折に上の娘が「キャンプしてみたい!」と騒ぎ始めるようになった。しかし失踪だのなんだのと話題になる世の中で3歳の下の子を連れて、それもこのコロナ禍でキャンプ場へというのはどうにも非現実的だ。どうしたものかと頭を捻っていたが、そもそも外出する必要などない事に気が付いた。
ぼくの家には庭がある。という訳で自宅にてバーベキューを開催することに相成った。
当日までにホームセンターで道具を調達。ちょうど夏のボーナスも入ったため、コンロにテーブルにベンチにとアウトドア用品をどんどんカートに放り込んだ。あとは家での開催と言うことで炭の消火壺も購入。河原あたりなら水かけて砂かけてはいチャンチャンと行こうものだが、さすがに自宅ではそうもいかない。というか今の時代は河原でもそんなことをしてはいけないだろう。気を付けねば。
そんなこんなで日曜11時にバーベキュースタート。火消しだけでなく火起こしもできる壺を買ったため、想像の8倍くらいの速度で火の準備が整った。そういえばボーイスカウトの時は着火剤どころか市販の木炭すら使わなかった。石で簡易のかまどを作り、その辺の落ち葉や枯れ枝を集めてマッチで火起こしをしたものだ。雨で木が湿気ていたりするともう最悪。煙ばかりが上がって火が付かないというのを何度経験しただろう。
その時の感覚で木を組んだものだから、思っていた以上に火が上がってちょっと焦った。もしもの時の為に園芸用の長いホースを買っておいたのは正解だったと言えよう。幸いにも想定していた活躍の場面は訪れなかったが、結果的に娘たちの水浴びという大役を果たしたホースくんには敬意を表したい。
さて、火の準備が終わればお待ちかねの焼きの時間だ。フランクフルトにステーキ肉、冷凍の焼き鳥なんかも業務スーパーで買ってきた。ジャガイモにナスにトウモロコシにパプリカ、そして何よりもタマネギ。こいつを食べるためにバーベキューをしていると言っても過言ではない。
火の強弱を見つつ金網の上でひっくり返す。若干焦げようと関係ない、それこそがバーベキューの醍醐味だ。ビールの缶を傾け、太陽の日差しに目を細める。風の方向が変わって飛んできた煙が目に染みる。ああ、これだ。これこそがバーベキューだ。ぼんじりから滴った脂で炎が上がる。その熱ささえ今は笑って受け入れられた。
気付けば食べるのもそっちのけでひたすら焼いていた。あんなに嫌いだったバーベキューがこんなに楽しいものかと驚くくらいだ。最近は肉を焼くだけのゲームが流行っているようだが。確かにその気持ちもわからないでもない。
そんな人間どもを迷惑がって、庭の木ではカエルが迷惑そうに目を細めていた。こんな暑さの中で火を焚かれてはたまったものではなかっただろう。大変申し訳ない事をした。
少人数だと食べられる量にも限界があるので小一時間ほどで終了。楽しんだ後は片付けも忘れずに。炭は消火壺へ入れ、コンロや金網はきちんと洗う。これが大人のマナー。
でも乾かしっぱなしでまだ倉庫に入れてないな。今日帰ったら仕舞わなきゃ。大人のマナーとは。
終始自分だけが楽しんでいたような気がしたので心配になったのだが、後で感想を聞いてみると娘も充分満喫したようで安心した。さすがにまだ火は危ないのでお手伝いはしてもらわなかったが、もう少し大きくなったら肉を焼くのも体験してもらうことにしよう。
これにて今夏やりたいことのうち1つが無事に片付いた。もう1つの目的であるサファリパークにはいつ頃行くとしようか。それはそれとしてバーベキューももう一度くらいはやりたい。今回は友人夫婦を招いたのだが、次はもうちょっと多い人数でやっても面白そうだ。それもこれもコロナ禍がどうなるかにかかっているのだが。
世間一般では夏休み。自粛疲れもあって観光施設には人が増えている事だろう。感染対策には十分留意しつつ、子供たちの成長を妨げないよう外出の機会は作ってやりたい。
思えば我が父親もそんな思いで内向的なぼくを連れ回していたのだろうか。いやあの人のことだからそんなの関係なく自己満足で周りを巻き込んでいただけだろう。
それでも今になれば、そうやって嫌々やらされたことが知恵となり経験となり娘に還元できている気がする。少しくらいは感謝しなくてはならないのかもしれない。おわり。