じゃあまたね
清原なつの
集英社 集英社ホームコミックス
全2巻
1巻発行日 2018/9/30


小5のユウコちゃんは友達から子猫を譲り受け、タイガーと名付けた。小中高と多感な時期をタイガーと過ごし、漫画家になる決意をし、マンガ家デビューそして大学卒業迄。清原先生の自叙伝まんが道ストーリー。ちなみにユウコ(祐子)は、清原先生の本名。

 
この作品の中でのネコちゃんは、人間の言葉が理解できるけれども、決してそのことを人間に悟らせてはいけないことになっている。だからタイガーは、脳内セリフでユウコちゃんに突っ込みを入れる。これがこの作品におけるナレーションであり、ユウコちゃんのモノローグとして役割を担っているのだ。

「今日のさんぽんた」のワンコ、ポン太と同じ状態なのだが、ポン太はギャグ的な突っ込み、こちらはナイーブな叙述で、役割が違う。
 
ユウコちゃんが影響を受けた漫画やジュブナイルSFが、作品の中には多数登場する。少女漫画だけでなく、「ワイルド7」や「夕やけ番長」なんかも登場するから、少年漫画も相当読まれていたご様子。
中でも聖悠紀先生の「超人ロック」には大きな影響を受けたようで、作画グループに入会までしている。たしか「超人ロック」は連載中に聖先生が他界され、連載中のものはスタッフにより完結したのではなかったか? 作者が没するまで連載した漫画の中では、最も古くにスタートした漫画ではなかっただろうか。
 
 
ネコちゃん、かわいい。
 
ちなみに、「じゃあまたね」全2巻には未収録作品があるようで、ちょっと眉をしかめてしまった。B6判で1巻は780円、2巻は820円で、それぞれ200ページに満たないんだから、十分、収録できたと思うのだけれど。それとも作者の意思で未収録にしたのかもしれませんね。
 

2496