本気! サンダーナ
立原あゆみ
秋田書店 ヤングチャンピオンコミックス
全7巻
1巻発行日 2003/4/25

 

本気シリーズも本編(全50巻)のあと、色々と出ている。

本編で本気は、ヤクザ組織の中の人としてはトップに立つことをしなかったが、その男気に惚れた者や、噂話として本気のエピソードを聞いて信奉者となった者たちが、組織の垣根を越えて気志団という集団を作っていた。

 

本気自身は本編のラストで刺されており、生死不明のままエンディングとなっているが、その後の「本気Ⅱ」などで命を取りとめていることが語られ、本気を刺した五郎という若いヤクザが収監されていた。

 

その五郎が出所する。

 

広域暴力団風組傘下の渚組組員だった本気が、同じ風組傘下の五社谷組の組員に刺されたのには、風組内でのゴタゴタが原因である。風組の最高幹部同士である五社谷と本気、通じ合えている部分はあったものの、組を背負う立場では対立構図もあり、五社谷の意見で本気は風組破門になっている。それが尾を引いているのだ。

 

五社谷と本気のどちらかが死ななければ、抗争は終わらない。そう考えた五郎は、「すいません。すいません。こうしないと戦争が終わりません」と詫びながら、本気を刺した。本気も「よくぞ、俺を選んでくれた」と伝えている。

 

その五郎が出所するとなれば、本気シンパが黙っていない。本気は「手を出すな」と号令を発するが、本気に恨みつらみを持つ警察官キャリアの西辻が、ヤクザ同士の抗争を起こさせ、その中で本気を消そうと暗躍、五郎の出所情報を漏らす。西辻の思惑どおり末端の気志団メンバーが、本気の意趣返しのため五郎を狙うために動いた。

 

五郎が殺されれば、親である五社谷は本気に対して黙ってはいまい。そういう魂胆である。しかし五社谷と本気は通じており、五郎は本気の子分として本気が葬儀を出し、骨は五社谷がもらうという所まで話は進んでいた。五社谷と本気が争う理由は既に無くなっていた。

 

末端の気志団員も、団長の松根の動きで全員が抑えられ、五郎が狙われることはなくなったが、ドンパチへ持ち込みたい悪意が動き、他の組が五郎を殺害してしまうのである。

 

悪意が悪意を生むように最初の仕掛けをしたのは、警察官キャリアの西辻。それを掴んだ本気は、西辻を狙うために、動き始める。


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