迷宮サーカス
千之ナイフ
ぶんか社 ぶんか社コミックスホラーMシリーズ
全1巻
2002/4/1発行
 
千之ナイフ先生のホラー短編集。
 
千之先生の作品は、わりと小さな書店であっても、その漫画コーナーに、そっと紛れ込んだように置かれているのが常だった記憶がある。だから、その気になれば、いつでも買えると思っていた。なんとなく後回しになっていたのは、漫画のための予算が潤沢ではなく、優先順位を付けざるを得なかったからだ。「いつでも買える」と思えば、どうしても「今すぐ欲しい」作品が先になってしまう。
 
これを私は「ねじ式」現象と呼ぶ。「ねじ式」が同じ理由で後回しになってしまい(読んだことはあったしね)、気が付いたら見かけなくなって、そんなある日にふと目について、慌てて購入したのだった。
 
「いつでも買える」は、とても甘い考えで、そもそも「わりと小さな書店」なんてものがいつしか崩壊していたし、親からもらったお小遣いで漫画を買っていた時は当然としても、社会人になってからもあれこれ出費がかさんであまり事情は変わらず、子育てが終わりわりと自由になったのは最近なのである。
 
さて。漫画の整理とリスト化、および文章化をしてて久しぶりに、千之先生の作品に触れた。その作品が、おそらく自分が所持しているたった1冊の千之先生の作品である。
 
他にも欲しいなと思って、古書で手頃な値段のものを見つけたのでゲット。それが、本作品である。
 
いじめた同級生や弄んだ教師が、サーカスの会場で復讐され消滅、そのかわり自分もサーカス団の一員になり…。
表題作「迷宮サーカス」である。
「迷宮サーカス」が2本、そのほかに4作がおさめられている。
 
短編なんだけど、ホラーということもあり、ちゃんと背筋をゾッとさせてくれる作品群である。
 
思えばホラーって作者のイマジネーション次第であらゆる展開が可能なジャンルかもしれない。
 
 

1913