フラグメンツ
山本直樹
小学館 ビックスピリッツコミックススペシャル
1巻
発行日 1997/3/20

 

山本直樹先生の描くエロは、どこか淡々としていて、日常風景の中に溶け込んでいて、そして物哀しい。喜んで飛び込んでいくわけでもなければ、拒否しているのでもない。そうせざるを得ない、あるいは、そうするのが当たり前、といった印象を受ける。

借金をチャラにするかわりに、町長の妾になることを親から強いられた高校生の雪子。メイドという建前で町長の家に住まわされ、家の中では常にノーパンでいることを命じられる。これも雪子は、喜んでそうするわけでもないし、拒否もしない。

 

町長の家族は、妻と息子。メイドと言いながらも、実態は妾であることを知っている。町長の家から学校へも通わされる。本人が望み、そして努力をすれば、どんな道だって可能性があるはずの年代だが、物語の中にそんな片鱗はまるでなく、ただ町長に性の玩具として扱われる。

 

夜ごとにセックスの相手をさせられ、1週間もするころには、前も後ろもすっかり花開かされてしまう。

 

性的オルガスムスに達する経験をしたところで、物語は終わる。120ページほどの作品だ。

 

そして後半は、ハードな真正のM男の話。

 

2巻以降を所持していないから正しいところはわからないが、これくらいの長さの作品が次々と展開してゆくのだろう。

 

女の子が総じて華奢なのがいい。

裸体で立っているだけなら、壊れてしまいそうな儚さ。

でも、性交の最中は、イキイキと蠢く。

漫画のエロは、僕はそういうのが好きだ。

 

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