まんが道
藤子不二雄
少年画報社 ヒットコミックス
全19巻
1巻発行日 1978/4/15

 

少年キングに連載された藤子不二雄先生の自伝的漫画である。ここに至る以前の話も別途発表されており、少年キング休刊に伴い未完となった以降の続編も、コロコロコミック・藤子不二雄ランド・ビッグコミックオリジナル増刊などに掲載されている。結果、完結扱いになっているのではなかろうか。

 

「少年キング」は半年程度のブランクを経て「少年KING」として再出発し、それぞれの最終号と創刊号も購入したけれど、継続した作品は「超人ロック」のみで、移籍した作品も皆無だったように思う。掲載誌の「移籍」という手法を当時は知らなかったので、「どこかで連載継続とかないかな?」なんて思いもしなかったから、探そうともしなかった。

 

「まんが道」は続編が描かれたが、移籍というよりも、時を経て続きを描く機会を得た(あるいは、作者がその機会を創った)ということだと思う。「銀河鉄道999」や「ワイルド7」も続編が描かれているが、少年キング誌上ではいったんきちんと完結をしている。

 

「少年キング」版「まんが道」は、富山に住む2人の漫画少年が宝塚の手塚治虫先生の自宅を訪ねる所から始まる。2人は熱心にファンレターを送っており、手塚先生からも時折返事をもらうなどしている中で、手塚家訪問が実現することになったのだ。富山から夜行列車に乗り、大阪で乗り換えて、宝塚へ。念願の面会は叶ったが、手塚先生は締め切りを抱えて仕事中であり、少しの会話の後、仕事場で原稿が完成するのを待つことになった。しかし、邪魔をしては悪いということで、2人は早々に手塚家を辞する。だが、2人にはこれで充分であった。

 

物語は2人が上京し、仕事も順風満帆だったにも拘わらず、あることがきっかけで原稿が締め切りに間に合わなくなり、連鎖的に全ての連載を落としてしまう。このため、どこかからも声がかからなくなってしまうというピンチに陥る。「漫画少年」という雑誌の休刊も重なっており、漫画家としては真っ白な時期を過ごすことになってしまった。

 

そのほどぼりが冷めかけ、再びペンを手にし始めた段階で、「まんが道・少年キング編」も掲載誌休刊により「未完」となった。

 

(漫画所持作品リスト 1542)