メフィスト
三山のぼる
講談社 モーニングKC
1~4巻
1巻発行日 1985/7/16

 

16世紀末。医師のジャンはペストの研究をしていた。しかし、成果を得られるまま時は流れ、あろうことか彼の妻がペストに冒されてしまう。悲嘆にくれた彼がとった方法が、悪魔との契約であった。妻は助かり、子まで授かった。まさに幸せの絶頂。だが、やがて彼は、夜ごとの悪夢に悩まされることになる。悪夢は彼にささやきかけてくる。「生まれてくる子は、悪魔の子。生まれながらにして悪魔の帰依者」と。

 

たまりかねたジャンは、敬虔な僧侶を呼び、悪魔祓いの儀式を行う。彼と契約した悪魔はこれに腹を立て、妻は異常な難産の末に死亡、ジャンもまた罪の意識に精魂尽き果てこの世を去る。

 

だが、生まれてきた子アルマは美しいだけでなく、慈愛に満ちた精神を持っていた。病で苦しむ人々を救い、貧困にあえぐ人々には錬金術で得た黄金を分け与えた。噂は広がり、アルマは魔女の烙印を押されてしまう。火あぶりの刑に処されたアルマの肉体は滅び、その精神は20世紀日本に飛ぶことになる。

 

流動玲二は、日夜、悪魔を降臨させるため、儀式に励んでいた。この儀式には、幼い男の子の血が必要とされた。彼は男の子を次々と誘拐し、殺し、血を手に入れた。だが、悪魔降臨は成功しない。連続する男児誘拐に捜査の手はいよいよ厳しくなる。これ以上は無理となったとき、彼は妙案を思いつく。

 

その方法とは、女性と恋仲になり、妊娠させる。その胎児を使うことであった。

彼は妊娠した女を薬で眠らせ腹を裂き、胎児を取り出して儀式に使った。

 

悪魔の召喚は成功する。降臨したのはアルマだった。16世紀に火あぶりの刑で肉体を失ったアルマは、玲二が殺した女の身体を得て、現代に蘇る。死刑を免れない玲二に、アルマは魔術をほどこし、二人は時空を超えた旅に出る。ここまでは序章。スピーディーに物語は展開する。ここからが本編の始まりである。玲二と魔女アルマが行きついた先は、中世ヨーロッパのまさに魔女狩りの渦中であった。

 

全部で6巻だが、4巻で失礼する結果になっている。

 

(漫画所持作品リスト 1364)